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2004年3月
予告された殺人の記録(G.ガルシア=マルケス) Satellite of LOVE(都築響一)
何苦楚日記(田口壮) 愛犬チャンプ4月号
日露戦争がよくわかる本(太平洋戦争研究会) まっくろヒヨコ(ラスカル+ピーター・エリオット)
まっくら森(本橋靖昭+利光普世)
超私的まんが道2≪一冊入魂≫
ひまわりさん(鶴田一文+テリー山本) .

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自分が殺される日、サンティアゴ・ナサールは、司教が船で着くのを待つために、朝、五時半に起きた。
予告された殺人の記録

G.ガルシア=マルケス 野谷文昭 訳

新潮文庫 400円+税

いまこの原稿を書くために何箇所も読み返していて、ふと自分はこの作品をちゃんと読み込んでいなかったのではないかと不安になりました。しかし、それは私がこの原稿に書こうと思っていたこととまったく矛盾はしないんです。そればかりか強化までしてくれるはずのものです。私が書こうと思っていたのは、この作品はいわゆる「ネタばれ」ということを全然心配しないですむものだということ、それがこの作品の本質なんだということです。次になにが起こるかすべて承知していても、読み手はこの作品に溺れてしまうんじゃないかと思います。素材としてのすべての情報を把握していながらも、これが作品として再び語られるのを聴くとき、ばらばらの素材が不意に思いもかけない装いで立ち上がり、そろって踊りはじめるのを感じることになるでしょう。「次になにが起こるか」ではなく、すでに承知のあれが「どのようにあらわれるか」ということで、おそらく何度読んでも、そのたびに楽しめるはず。

上に引用したのがこの作品の書き出しで、繰り返しますが、

自分が殺される日、サンティアゴ・ナサールは、司教が船で着くのを待つために、朝、五時半に起きた。

ページをめくると、こういう文章もあります。

……彼は六時五分過ぎに家を出たのだが、それから一時間後、豚のように滅多切りにされるまでに出会った多くの人々は、彼がいくらか眠そうだったが機嫌はよかったことを覚えていた。

あるいはもっと先には

サンティアゴ・ナサールは、最後の一センチまで確かめようとした。そして、生きている間に、そうすることができた。実際彼は、翌日船着き場で、クリスト・ベドヤから最終的な数字を聞いて、バヤルド・サン・ロマンの予言が正しかったのを確かめることができたのだ。死ぬ四十五分前のことである。

また、

彼らは、わたしたちと一緒に酒を飲み、サンティアゴ・ナサールと声を合せて歌をうたっていた。彼を殺す五時間前のことである。

              ***

語り手の「わたし」が20年以上も前のある事件について語ります。「わたし」の友人サンティアゴ・ナサールが殺された事件です。それは「わたし」のいとこが花嫁として町じゅうから祝福された盛大な結婚式の翌朝で、殺したのは花嫁の兄2人でした。この殺人の起こることは町じゅうのひとが事前に知っていました。殺された本人でさえ知っていたんです。そして、どうやら殺した方も「人に見られず即座に殺すのに都合のいいことは、何ひとつせず、むしろ誰かに犯行を阻んでもらうための努力を、思いつく限り試みたというのが真相らしい」んです。それはなんだ? それならどうしてそのまま殺人が行なわれたのか?

作品は5つの章(章と名がついているわけではありませんが)に分かれています。はじめの章の終わりはこうです。

「もう心配しなくていいんだ、ルイサ・サンティアガ」と、その人間はすれ違いざまに大声で言った。「殺されちまったよ」

三つめの終わりは

尼僧の妹が、大急ぎで僧服を着ながら寝室に入ってきて、狂ったように大声で彼を起こした。
「サンティアゴ・ナサールが殺されたのよ!」


なんとなく全体の構成がわかってきましたか?

四つめのはじまりはこうです。

ナイフの傷は、カルメン・アマドール神父による無慈悲な検死解剖の手始めのようなものだった。ディオニシオ・イグアラン医師がいなかったため、彼がその仕事を引き受けなければならなかったのだ。「一度死んだ人間を、もう一度殺すようなものでしたよ」とかつての教区司祭は、カラフェルの保養所でわたしにそう言った。

で、二つめの終わりがどうかというと、

彼女は、ほとんどためらわずに、名前を挙げた。それは、記憶の闇の中を探ったとき、この世あの世の人間の数限りない名前がごたまぜになった中から、真っ先に見つかったものだった。彼女はその名に投げ矢を命中させ、蝶のように壁に留めたのだ。彼女がなにげなく挙げたその名は、しかし、はるか昔からすでに宣告されていたのである。
「サンティアゴ・ナサールよ」彼女はそう答えた。


これで殺されるべき人間がサンティアゴ・ナサールだということが決定されるわけです。

そして五つめの章で、とうとうサンティアゴ・ナサールの殺されるさまが描かれることになります。これが実にむごたらしい。

              ***

不幸な偶然がなぜこんなにも重なったのか、誰にも解らなかった。

と、はじめの章にありますが、そこでちらりと触れられる検察官のことが終章でも語られます。でも、その前に彼の作成した調書を「わたし」が事件から20年後にどのようにして入手したかを引用しておきましょう。

事件から二十年後、リオアチャの裁判所でその調書を捜すのに、わたしは大勢の人々の世話になった。資料室にはなんの分類もなく、かつて二日ほどフランシス・ドレイクの総司令部になり、今はすっかり老朽化した植民地時代の建物の床に、一世紀分以上の資料が山積みされていた。一階は高潮のために水浸しになり、表紙が取れてばらばらになった書類が漂っていた。わたしは自らくるぶしまで水に浸かりながら、何度となく敗訴となった事件の書類の池の中を調べて歩いた。そして五年間捜しあぐねた末、あるとき偶然にも、五百枚を越えていたはずの調書のうち、散逸を免れたおよそ三百二十二枚分を見つけることができたのだった。

いやあ、どうですか?

さて、

検察官の名はどこにも見当らなかった。とはいえ、それが文学に熱を上げている人間であることは明らかだった。彼がスペインの古典やラテンのいくつかを読んでいることは確実だったからだ。それに彼は、当時の司法官の間で流行りの作家だったニーチェをよく知っていた。本文に添えられた傍注は、インクの色のせいもあるが、まるで血で書かれているように見えた。彼は自分がたまたま手がけることになった謎に当惑するあまり、仕事の厳格さとは裏腹に、ちょくちょく、叙情的ともいえる気晴らしをしている。別けても、彼が絶えず不当と感じていたのは、……

さあ、それは、文学に熱を上げていた検察官、「彼が絶えず不当と感じていたのは」

文学には禁じられている偶然が、人々の間でいくつも重なることによって、あれほど十分に予告された殺人が、行なわれてしまったことだった。

まったく、ここを書いたときの作者のにやりとした顔が浮かんでくるようです。文学上の常識を逆手にとり、予告されていて、しかも実際に起こってしまった殺人事件の様子を彼は文学作品にしてしまったわけです。それも、こんなに(って、読んでみてください)見事に。







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Satellite of LOVE
ラブホテル・消えゆく愛の空間学

都築響一

アスペクト 3200円+税

都築響一の写真集です。テーマはラブホ。そうラブホテルです。建築やインテリアの写真集はありますが(特に洋書に多いです)ラブホの内装の写真集なんて、そうは無いはず。この本の前書きによると、“「コピー上手」と揶揄される日本人ではあるが、なぜかエロについては世界最高レベルのオリジナリティを発揮する”そうだ。そして“様々な性風俗産業をはじめ「○○のおもちゃ」、漫画、風俗誌まで世界に注目を浴びるクリエイティブ・スピリットが日本のエロには根づいている”らしい…、力説ですがかなり笑えます。

しかし、この写真集を見ていると本当にそうかもしれないと思えてきてしまうのです。過剰なまでの装飾や凝った仕掛け。だいたいSEXするのにベッドが回る必要があったでしょうか?鏡張りの部屋はまあ良いとして、その馬車型のベッドはなんなんだ?なかでも笑えたのは、屋形舟を精巧に模したベッドだ。いやそのベッドは別に良いのだ。出来れば行ってみたい気もするが、笑えたのはそのベッドは以前、部屋の中にちゃんと周囲に水を張られていて、そこには錦鯉が泳いでいたそうなのだ。ところが利用客が餌をあたえすぎて、錦鯉は死んでしまったらしく今は水は抜かれているとのこと。何しにホテルにいってるんだか…。

つい先日、美容院に行って「こんな写真集があるンすよ」なんて担当の美容師と話してたら、その人曰く「千葉に某Cってホテルがあるんだけど、そこなんか部屋にかなり大きめなプールがあってさ、しかもそのプールの上にブランコがあったんだよ。ちょっと前の事だけどね」なんて話で盛り上がってしまいました。美容院でなんて会話してんだか…後から反省。

最初は笑って見ていたんですけど、途中から「へぇ〜」なんて変に感心して眺めてしまう写真集です。先述の屋形舟のホテル、「迎賓館」ってホテルですけど他の部屋も絢爛豪華ですごいです。本当に行ってみたくなってきたな。
ところで、ラブホでカラオケって邪道じゃないですかねぇ。






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何苦楚日記

田口壮

主婦と生活社 1400円+税

『何苦楚日記』とは、過去2シーズン3Aを中心にマイナーリーグでプレーしてきた田口壮選手のメール日記です。
連日イチローや松井といった選手が日本で報道されても、田口の名前を聞くことはほとんどなかった。カージナルスには、エドモンズ、プホルス、ドリュー、とメジャーを代表する3人が外野を守っていたので、当然守るべきポジションが無かったからです。そのため過去2シーズンの大半は3Aのメンフィス・レッドバーズでプレーすることになりました。
けれどもこの日記には、後向きな考えや、こむずかしい日米の野球理論の違いといったことはほとんど載っておらず、前向きでアメリカの生活を新鮮に楽しんでプレーしている様子がうかがえます。だからこそ、このHPが同世代の人に支持されていた気がします。
タイトルの「何苦楚」ですが、先日ヤクルトの岩村選手の記事でも載っていましたが、オリックス時代の恩師中西太氏が愛した言葉で、
 
 今の苦労はなんのためにしているのか?
 土台(楚)を作るためじゃないのか?
 だったら、苦労を楽しめ!
 だったら、その苦労を笑っとけ!


そして今シーズンはドリューの移籍、プホルスのコンバートと外野のポジションが2つも空き、メジャー定着への追い風が吹いています。開幕戦をメジャーで迎え、レギュラー定着をした『何苦楚日記』の続きを楽しみに待ちましょう。






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愛犬チャンプ 4月号
Vol.137


芸文社 820円(税込)

今月の愛犬チャンプはおしゃれなワンちゃんの誌上ファッションショーと春のキャリーバックの特集です。ファッションショーでは、昨年末におしゃれ自慢・手作り自慢・衣装持ち自慢・ペアルック自慢の4つの部門に分けて一般の方に写真を募り、見事栄冠に輝いたワンちゃんが紹介されています。さすがにグランプリに輝くだけあってどのワンちゃんのウエアも芸能人かと思わせるめちゃくちゃおしゃれなものばかりです。とにかくある意味関心させられるというかすごいの一言です。そして要チェックなのがキャリーバックの特集です。オーソドックスなものから顔出し・抱っこ・ショルダー・バギー等どれも機能的でデザイン性も大幅にアップしています。特に気になるのがチョコンと顔が出せる窓がついているタイプと、お互いの顔が見える前抱っこタイプ、どちらも春らしい色合いの素敵でかわいいキャリーバッグです。ぜひかわいいワンちゃんにウエアとキャリーバッグをプレゼントしてあげてください。ちなみに誌上ファッションショーでのウエアはワンちゃんの私物です。あくまでも参考にしてください。





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20ポイントで理解する
日露戦争がよくわかる本

太平洋戦争研究会

PHP文庫 686円+税

  日本海海戦より100年…

原宿に奉られる【東郷平八郎】、乃木坂に奉られる【乃木希典】指揮の下に帝政ロシアと戦った、【日露戦争】から今年で100年の節目を迎えるそうな…当時は極東の小国、しかも発展途上だった日本が強大なバルチック艦隊を打ち破った【日本海海戦】は、当時の世界各国には大きな驚きだったとか。

後に記された歴史資料を見れば、日本単独でロシアに挑んでいたら、決して勝利は有り得なかった事が明白なのですが、そもそも日本はどうしてロシアと戦争するに至ったのでしょうか…この辺りの事情は日本史の授業で少し触れる程度。詳しい背景をご存知の方は少ない筈ですよね?

本書は当時の世界状況、日本とロシア両国の国力、同盟国であった米英の対応を判り易く解説。

お隣の韓国〜日本海が主戦場となった訳ですが、100周年を記念した行事では、ロシア極東艦隊が韓国を表敬訪問したりと、あちこちでイベントが組まれている様ですから、この機会にじっくりと勉強してみませんか?

今回のオススメ度 ★★★☆☆(副読本として、同社の拓殖久慶・著、【日露戦争名将列伝】¥552+税もお勧めしておきます。両方読破した上で、司馬遼太郎の【坂の上の雲】を読めば、より楽しめるでしょう)






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まっくろヒヨコ

ラスカル(文) ピーター・エリオット(絵)
平岡敦 訳

偕成社 1000円+税

  ええんか、こんな終わりかたで!?

いやもう、本当に驚かされました…( ̄O ̄;)

ある農場で生まれた100羽のヒヨコの中で、たった一羽だけ生まれた【まっくろヒヨコ】が本書の主人公。
本当の父母を探して、あちこち訪ね歩くと言う、【みにくいアヒルの子】や、【母を尋ねて三千里】を彷彿とさせる話の展開なのですが…物語は一日であっけなく、しかも衝撃的に終了します。

あんまり詳細に伝えてしまうと、本書を読む面白味が無くなってしまいますが、コレだけは言わせて下さい。

…世の中そんなに甘くは無いよねぇ(T_T)

  今回のオススメ度 ★★★★☆(絵本なんだけど、子供に読ませたくはないなぁ…最後まで読んで「そう来るかぁ〜!」ってかんじでした。)






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まっくら森

本橋靖昭(絵) 利光普世(文)

サンマーク出版 1500円+税

 どこに、あるか、みんな知ってる
 どこに、あるか、誰も知らない…

タイトルにもなっている【まっくら森】と原口の出会いは、結構前のことだったと記憶しています。
中学時代からお気に入りの谷山浩子さんと言う方の曲で、NHK【みんなの歌】で流れているのを聞いたのが初めて…谷山さんと言うシンガーは、それまでにもメルヘンorファンタジーっぽい曲を幾つも発表されているのですが、【まっくら森のうた】はその中でも特に印象深い曲でした。

最後に【まっくら森の歌】を聴いてから、もう3年以上経過していると思いますが…まさか物語になって再会するとは思いもせず、思わず購入してしまいました(笑)

さらに驚いたのは、歌よりも先に物語としての【まっくら森】の構想が練られていた事実…本書の絵を担当されている本橋氏の【ファンタジーワールド】内のお話なんだそうで…【まっくら森】以外のお話も読んでみたくなりました。

本橋さん、是非続編をお願いします!

今回のオススメ度 ★★★★☆(是非ともCDアルバム【そっくりハウス】か、【みんなのうた】で曲を聴いてから読んで下さい、【まっくら森】は、あなたのすぐ側にあるかも知れません…)









≪一冊入魂≫

第27回 『ひまわりさん』




『ひまわりさん』とは…
 
 よくドラマとかでこういう件を耳にします。

『我々警察官が暇なことは良いことだよ』って。

 まあ確かに事件が起こっているにも拘わらず全く暇を持て余しているのはマズイですが、事件・事故のない、平穏な状態で暇だというのならとてもいいことですよね。

 今回紹介する『ひまわりさん』は『暇なおまわりさん』のことを指しています。主にとある警察署の二人の警官を指してこの言葉は使われています。そんなふたりの仕事振りについては本文で紹介します。

 ただこの作品、紹介するのは第2巻。1巻目も個人的には好きなんですが紹介するのはどうだろうか?と思って見送っていました。が!2巻目、かなり面白さ、そして感動度がアップしてます。なので敢えて2巻目ですが紹介させてもらいます。お気に召された方は是非1巻から読んでくださいませ…



ひまわりさん

鶴田一文+テリー山本

小学館 2巻まで 各505円+税
 まずは簡単な作品紹介から。

 ひまわりさん……『暇なおまわりさん』の略称。主に、湯野川署遺失物係の越知義郎巡査部長、及び真島純平巡査の両名を指していう。彼らがモノ探しのプロであるということは、案外知られてはいない…

 真島順平。刑事に憧れ警察官になったものの、配属先は閑職・遺失物係…そこの唯一の上司である越知巡査部長はかつて『落としの越知』と恐れられた敏腕刑事だったらしいのですが…今はその影すら伺えない。そんなふたりの下に今日も次から次へと届けられてくる遺失物。それはさまざまな思い出や物語を一緒に運んでくるのです…


 ふだんはイントロの通り、全く冴えないふたりですが、いざ遺失物のことに関しては己の全てをかけてというくらいの勢いで接しています。ただ真島巡査のほうはたま〜〜に気もそぞろだったり、失敗したりしてますが(笑)。ただ周りから『ひまわりさん』と小馬鹿にされるほどダメな人たちではありません。ただ活動が地味なだけであって。

 これもイントロで書きましたが、本作は2巻目がもの凄く面白い!特にお気に入りのエピソードは次のコーナーで紹介します。いやぁ…涙止まりませんでした…
超私的お気に入りエピソード

山 動く

P.131〜154
『て、TV取材…!?』

 署長室からひまわりさんの声がする。TV局に遺失物係への感謝の投書が届き、ニュース番組内で10分間のミニ特集が組まれることになったのだ。収録は本日午後1時、必ずふたりで揃って待機していることと署長に釘を指されるふたり。あまり気の乗らない雰囲気の越知(とはいっても顔にパックしたりしているのだが)を尻目に浮かれ調子の真島。

 TV局の取材陣が到着する前にいつもの仕事を片付けるべく駅に向かう真島。その帰り道、駅員に声をかけられる。そこにはふたりの幼い兄妹。目には涙を浮かべていた…

 実はその兄妹は離婚して離れ離れになったしまった母親に誕生日のプレゼントの絵を届けにいこうといていました。そこには楽しかった母親とのお出掛け風景が描かれています。

 母親のもとに連れて行ってほしいとせがむ妹のあゆみ。迫りくる取材の時間。ただ涙ながらの彼女の懇願に折れる真島。御機嫌な兄妹に連れられて向かおうとした先は何と…博多でした…

 博多と聞いた真島は戸惑いを隠せない。郵便で送ることを提案するが、あゆみは自分で届けると頑なな態度をとる。兄光男はこれ以上真島を困らせたくないと、あゆみを説得しようとするがますます頑なになる態度。取材の時間は更に迫ってくる。そんなとき、真島の採った決断とは…一緒に博多まで行くことだった…

 結局取材に間に合わず、取材自体も取りやめになってしまいます。そんな状況をたしなめる署長。しかし越知はこう切り返しました。

『お言葉ですが…あいつは勘弁してやってください…確かに…奴はバカですが…人にとって一番大事なものを…よくわかっている男です。』

と…


 博多駅に着いて住所を頼りにようやく母親が現在住む家に到着した3人。インターフォンを押すも留守の様子。

 刑事よろしく公園で張り込みしようとしたそのとき、向こうからやってくる人影。母親だった。ただお腹は大きく膨れていた。そう、新しい家族を宿しているのだ。

 それを見た兄妹。気付いた母親が声をかけるとおもむろに絵を取り出したあゆみがその絵をビリビリに破り捨ててしまう。そしてクレヨンと紙を取り出して一心不乱に絵を描きはじめるのだった。こう呟きながら…

『泣かないもん!泣かないもん!』と…

 このあとあゆみちゃんはどんな絵を描きあげたのでしょうか?そして署に戻った真島に越知が何と声をかけたのでしょうか?それは皆さんで確認してくださいませ。ちなみに私はこの絵を見たときに思わず涙してしまいましたが…

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