| 2003年6月 | |
| 槿(古井由吉) | 新・南太平洋の小さなホテル TAHITI Bora Bora(増島実) |
| 真っ向勝負のスローカーブ(星野伸之) | The Mix(森田米雄) |
| DOG GOODS SHOP 2003 | 間取りの手帖(佐藤和歌子) |
| ウルトラマン画報(下) | 東京七福神めぐり(東京街歩き委員会) |
| 超私的まんが道2≪一冊入魂≫ | |
| 骨董あなろ具屋(山野りんりん) | . |
| 初めにすっと入って来られたとき、あまり恐かったもので、と膝をまたいっそう固く抱えこみ上半身をゆるくくねらせて、はずかしい、はずかしいの、どうにかして、と訴えてきた。 | |
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古井由吉 講談社文芸文庫 1700円+税 |
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| 以前にこの古井由吉さんの新作『忿翁』(ふんのう)をご紹介しましたが、あのとき絶版を嘆いていた名作『槿』(あさがお)がとうとう講談社文芸文庫として復刊となりました。で、この機会に私は本棚に埋もれていた福武文庫版を再読しました。こちらの奥付には「1989.4.15読了」のメモがありまして、当時私は26歳だったんですなあ。それ以来の読書になったんですけれど、今回読み進むにつれて、いったい自分は前回なにを読んでいたんだろうと思いました。わかりやすいレヴェルでいえば、登場人物の人間関係なんか全然読みとれていなかったことが判明しました。それなのに当時はだいぶ魅了されていたものなんです。ただもうこの文体のなかをさまよって終わりのページまで行き着いたというだけだったんですね。今回はもっと余裕をもって読めたと思います。さすがは40歳。14年の歳月というのはたいしたもんです。それにしても、これで考えさせられたのは、昔読んだ本に当時は気づかなかった宝がどっさりあって、これからは新しい本に手をつけるより、やはり再読に精を出した方がいいのじゃないか、ということでした。きりがないんですけれども。 さて、どうやってご紹介しますか? これはどうでしょう? 少女の「白い手」の場面です。 それは 門のくぐり戸の細く開いた隙間から差し出されて、手首を男の手に鷲掴みにされていた。 というのも、男の方からすると、 手をかけるとしかし扉はすっと押されて、すぐ前の暗がりに、一瞬声のない笑いが凄惨にひろがったふうに見えて、少女がぽつんと立っていた。腰をまた引いて、訝かしげに、こちらを仰いだ。怯えた男が腕だけで掴みかかり、ひとしきりお互い及び腰で揉み合った末、手首だけが戸の外に残った。 男は「この手を早く始末しなければならない」と焦りながら「自分の方の手をゆるめようともしなかった」。 進退きわまったとき、掴まれた少女の手首がしなやかにくねり、脱れようとするのでもなく、指先がわなわなと男の小手の腹を、宥めるように撫ぜた。 そして、少女は「濃いにおいをまつわりつかせながら静かな物腰で庭の隅の植込みの陰に」彼を導いて「自分から低くしゃがんだ」。 少女は両手で膝を抱えこんで、じっとうつむきこむその裾のほうからまた、生温いものが立ち昇ってきた。 男を「見つめる目の光りがおぼろなようになり、はずかしい、とつぶやいた」。 初めにすっと入って来られたとき、あまり恐かったもので、と膝をまたいっそう固く抱えこみ上半身をゆるくくねらせて、はずかしい、はずかしいの、どうにかして、と訴えてきた。 そのまま、どうにもならない恥を二人して下に庇いあうようにして長いこと、家の内の呼び声に耳をやり唇を合わせていた。唇だけで濃く、ときおりゆるやかに動かして、触れ合っていた。しかしそれだけだった。誰に見られたわけでもない。お互いさえ見ないようにしていた。 やがて、男が立ち去ったと思った少女は「玄関のほうへ去りかけてまた別の植込みの陰に身を寄せ」、「腰をちょっと屈め」たのでした。しかし、男はそれを見ていました。男は少女が 家の内へ注意を凝らし、すでに背後を忘れて、ひとりでに動くような手でゆっくりと、濡れた下着をおろして足の先から抜くのを、少女の身のために、髪の根の締まる思いで見まもっていた。 あるいはまた別の場面。 しばらく遠い心地になり、女が眉をゆがめて目の内をゆらめかせ、蒼い腕をわなわなと伸ばして、膝に上着の裾に掴みかかってくるのを、自身の恐怖の反応のごとく眺めていた。死物狂いに頭をなかば起しかけては仰けざまに倒れこむ力に、とうとう寝床の中へ引きこまれて、服を着たままのざらりとした感触の中へ、ふくよかな裸体をつつみこむと、遠くから重たるいどよめきが起って、大木の葉音が傾きかかり、女の肌が熱く、内から細かく泡立って火照りはじめ、その怯えを胸の内に庇い、疼くように伸ばされた腰のうしろへ手をあてがって地平のほうへ耳を澄ましたが、戸外はあくまでも静かで、風の渡る声もなく、やがてしゅるしゅると、雨もよいの夜明けらしく、遠くを横切る始電の音が手に取るように聞えてきた。 これもまた別の場面。 身を引き離したときには女の身体が、力ずくで押しひらかれたままの、醜怪なかたちにこわばって残った。腕はまだ影にすがりついて宙へ曲げられ、目をまたあけていた。見かねて手を添えて自然な仰臥になおしてやり、はずれた枕を頭の下に入れてやると、瞼をおろしてすぐに細い寝息が立った。触れていたときには感じられなかったような穏やかな温みがわずかながら膝のほうから寄添ってきた。 性的な場面ばかりでなく、こういう部分はどうでしょう? ……一時間ぐらい前までそこに坐って物も言わずに二本だけ呑んで帰った、と女将が訴えた。四十前後で、景気の悪い会社勤めか、あんがい役所か、いずれたいした働き手でもなさそうな、まず貧相な風体で、とくに印象も受けなかった。帰る時もろくに後姿を見送りもしなかったが、何だか、厭なにおいがあとに残った。何でもない手つきが変に目に粘りついた。だんだんに落着きがなくなって後片づけを始めた。厭な気分の晩だなと思って、そんなことを思う自分をまだ笑っていた。そのうちに手の動きが早くなって追われるみたいになって、あたしがまさか、殺されるわけじゃなし、と顫え声でひとり言をいっている自分に気がついたとたんに怯えを押さえられなくなった。息をつとめて整えるうちに、覚えのある足音がこちらへむかってきた。 「おいおい、滅多なことは言うなよ、行きずりの人間のことにせよ」 「間違いありませんよ、人殺しだわ、あれは」 もうちょっと日常的な部分はどうかというと それから煙草だの灰皿だの書込み用の鉛筆だの、まわりの小物を拾って、歯をていねいに磨き、ウイスキーを生のままか、ひや酒を安直に喉へ放りこみ、そのあとで熱い番茶を啜ることもあり、これはもう長年の習慣で、物を片づける──酒を呑むのも片づけの内だが──その細かい順序もたいていおのずと決まっているのだが、これをすでにうつらうつらとおこなう動作の端々がまたどうかして、もうこの一回限りの、長いこと繰返してきたがもう二度と手にする必要のない、安らぎの感じをおびる。憂鬱げに眉をひそめながら、安堵に濡れている。いわれもない。 あれだけ慎重らしく見てまわるのに、ある日、宵の内に家の者が締め忘れた玄関の扉の錠を、夜中につくづくとつまみの向きまで見つめながら見落としたようで、朝刊を取りに行ったら鍵がかかっていなかった、と翌日子供に教えられた。 ずいぶん引用してきましたが、こういう語りの作家なんです。 こういうふうに語る、こういうふうに身体の感じとこころの動きとをを細く粘るように絡める、いや、ほとんど両者の区別というものが判然としないように語るわけです。考えてみてほしいんですけれど、こういう語りでは決して描くことのできないものがあるはずです。こういうふうに時間を非常にゆっくり動かすようにするやりかたでは描きえないものがある。またこういうふうにしないと描きえないものがあるわけです。たとえば性行為をあんなふうに描きながら、他の部分では軽快にテンポよく語っていく、ということはできないんです。文体とはそういうことです(テンポが文体だといっているわけではありません。テンポも文体の一要素です)。ある文体ではじめた以上、断念しなくてはならないものがあり、反対に、ある文体ではじめたからこそ、他の文体では描きえないことが描けるようになるんです。文体は主題を決めますし、主題は文体を決めるでしょう。文体はそういう特殊な場です。ある文体ではじめたものは、その文体をどこまで十全に活かすことができるかどうかだけが重要になります。それがうまくいっているかどうかが、作品のよしあしを決めるだろうと私は思っています。 読書の話をしていると、たいていのひとが描かれた人物とか出来事がおもしろかったかどうかを問題にするのを、私はずっと気にしています。それがまずどういう文体で、それがどう活かされているか、ということをまったく問わないんです。つまり、それが作品として成立しているかどうかを問わない。それを問わないでいて、どういう人物がいて、何が起こるか、ということばかり口にして、いいとかわるいとかいうんです。好きとか嫌いとか。文体がしっかりしていなくては、人物も出来事も描かれていないんです。描かれていないものを評価のしようがありません。が、どうやらそう読まない。そして、そのことには気がつかないんです。そのまま感動≠オて泣いてしまう≠ネんてことになる。私はこんなふうにいわなくてはならなくなります。「この場合、主人公がいいとかわるいとかは問題にならないんだよ。これは作品じゃないんだから」。もし私が作品内の人物や出来事がおもしろいというふうにしゃべるなら、それはまず当の小説がきちんとした文体をもっており、作品として成立しているものについてそうなんですが、これを理解してもらうことは滅多にありません。そうしてこの無理解について困るのは、作品になっていないものまでを作品としてよいと評価してしまうひとたちが、ほんとうに作品として成立しているよいものまでよいと評価してしまうことです。なお困るのは……。 さて、しかし、これは『槿』の紹介なんでありました。でも、筋の紹介はやめにしておきましょう。こういうひとたちが動きまわります、と引用するにとどめましょう。杉尾という男を中心に2人の女性と1人の男性です。 ある女性は 「なんだか、わたし自身の何かが、誘い出すらしいんです」井手はつづけた。 外へ向かって絶対に叫び立てない。驚きなり恐れなり怒りなり、強い感情の動きを、普通の女性のように、とっさに表に出して騒がない。逆に一瞬空虚になって、すっと吸いこんで、こちらが悪びれたみたいに目を逸らす。動揺をつつみこんで、おのずと、相手の行為を人目から庇っている。 べつの女性は ……もう一度杉尾のほうに向きなおり、かたい膝を運んでそろそろと寄ってきた。杉尾のすぐ前まで来て棒立ちになり、目の光が内にこもり、いまにもまっすぐ倒れかかりそうに見えるので杉尾が腕を差出そうとすると、膝をまたちょっと折って両手を胸の前で合わせ、拝む恰好をした。気がつくと白い喉もとへ押しあげるものがあり、杉尾が壁ぎわに身をよけると目の前をいっそう夢遊めいた静かさで通り抜け、浴室の前で蒼白な横顔がこちらを見ずに、お帰りにならないでくださいよ、恐いことになりますから、と嗄れ声につぶやいて、扉が閉まると、喉をしぼって吐く気配が伝わってきた。 ある男性は ……いつの間にか病人の言葉に惹きこまれていた。 「すべて因果なんだ。不自由なんだ。しかしそう知ったところで、俺たちに何がある。神仏は知らん。あるのは節度、辛抱だけだ。しかし節度というのは、これは気が狂うよりも、狂おわしいものだぞ。自分がなくなって、なくなったところが白く輝く、だが辛抱だけはあるんだ、永遠に……」 ところで、この作者の作品を読むのは初めてというひとは、この『槿』の前に、一度ご紹介したことのある『忿翁』から入った方がいいと思います。あちらの方がおそらく若いひとにも入りやすいだろうと思うんです。 |
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TAHITI Bora Bora 増島実 PARCO出版 1900円+税 |
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俺の死に場所(の近所) 写真集だから、いくら“おすすめ”といったところで、あーだこーだ書いてもしょうがないんですが、数年前からとても行きたいところです。 そして、死に場所はこの島のお隣「モーレア島」。行ったら、ぜ〜ったい二度と日本には帰ってはきません。青い空(宇宙までつながってるって感じられるくらい)、青い海(もう宝石のよう)、緑に包まれた岩山(昔、ポカリスエットのCMに使われていなかったでしたっけ)、白い雲(もう俺の心のよう、いやまじで) いつか絶対に、行ってみせます。そして死ぬんだったら、こんな場所。さわやかな潮風に吹かれて、その風にトロピカルカラーの花びらが舞って、「わが人生に一片の悔いなし」とか何とかほざきながら、笑顔で逝くんです。あ、その前に国際電話で友達ぐらいには連絡入れとかないといけません。 「俺の死に様、よう見とけ!!」 もうほとんど嫌がらせ……。 |
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スローカーブ 星野伸之 新潮新書 680円+税 |
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| 星野伸之 ──通算成績 176勝(歴代34位) 140敗 2S 投球回数 2669 1/3イニング(歴代36位) 奪三振数 2041個(歴代16位) 防御率 3.64 11年連続2ケタ勝利 130キロのストレート、110キロのフォーク、そして90キロのカーブ。高校生ピッチャーのような球速で、なぜプロ野球でこれほどの成績を残せたのか? 技巧派のような球速ですが、本格派のような奪三振数。本当に不思議なピッチャーです。85年に阪急に入団し、オリックスを経て2000年にFAで阪神に移籍(移籍後はあまり活躍をしなかったので認知度は低いかもしれません)するまで、パ・リーグを代表するエースであったことは間違いありません。 そんな著者の投球理論や現役時代のエピソードなど、もちろん伝説の素手キャッチ≠フことも載っていますし、イチローの守るライトは内野≠ニ考えてバッターと勝負していたといった、今だから言える話も書かれています。 ただし、結婚前に奥さんを投球日に呼び、完投勝利をやってウイニングボールをスタンドの奥さんに投げたことは載っていませんが。とにかく体重70キロに満たない細腕左腕星野王子様≠セからこそ書ける真っ向勝負のスローカーブ=Aぜひ読んでみてください。ナゼ、これだけの成績を残せたかが分かります。 |
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純血×純血からうまれた、 ハーフの犬の写真集 森田米雄(写真) ワニブックス 1280円+税 |
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| 今ひそかに人気のミックス犬。すなわち異なった純血種同士のハーフです。それぞれの特徴を受け継いで生まれた仔犬を「はなでか」シリーズでおなじみの森田米雄さんが撮ったかわいい写真集です。たとえばポメラニアンとダックスフンドのハーフで「ポメダックス」と命名された仔犬は、ポメラニアンのもこもこの毛に、ダックスの短い足と少したれた耳というそれぞれのかわいいポイントがうまい具合に調和しています。なんといっても森田米雄さんがカメラマンですから、めちゃくちゃかわいい写真集になっています。疲れたときの一冊におすすめです。 ミックス犬・リスト ☆ポメラニアン×ダックスフンド=ポメダックス ☆ポメラニアン×チワワ=ポメチー ☆ポメラニアン×マルチーズ=ポメチーズ ☆柴犬×コーギー=柴コーギー ☆柴犬×ダックスフンド=シバダックス ☆ラブラドール×ビーグル=ラブビーグル ☆パピヨン×チワワ=パピチー ☆ヨークシャ・テリア×パピヨン=ヨーキーパピヨン ☆ヨークシャ・テリア×ダックスフンド=ヨーキーダックス |
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GOODS SHOP 2003 芸文社 1200円+税 |
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| ドッググッズの夏号が出ました。今回もおしゃれなものばかりです。梅雨の時期に備えて、雨の日の外出も楽しくなりそうなカラフルなレインコートや、夏らしくアロハシャツや浴衣の紹介もあります。飼い主さんと愛犬がおそろいで着られるウェエアも多く、Tシャツと重ねて着せるのが今年の流行のようです。いつものようにすべて通販で購入できますし、ショップの紹介もたくさん載っていますから直接お店に行って選ぶのも楽しいと思います。愛犬の衣替えに最適の一冊です。 |
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佐藤和歌子 リトル・モア 950円+税 |
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| 謎の物件、あります! う〜ん…何と評して良いのやら。 店頭に入荷して陳列された頃から、微妙に気にはなっていたのですよ。 でも購入を決意させたのは、ある日の朝〇新聞の書評でありました。 「ここが云々」、「あそこがなんたら」と言う解説よりも、そこに掲載されていた間取り図の方が見ていて面白かった為、その日の内に即購入。 自宅に戻ってじっくり鑑賞し、思う存分笑わせて貰いました! 特に物件022の「観音開きフェチ」と、物件080の「放射状に散らばりそう」はバカウケ…建っている土地の関係でこう言う構造にならざるを得なかったのでしょうが、その他にも風変わりな間取りが満載です。 惜しむらくは、住人又は管理者のコメントが載っていたり、大まかな物件の所在地が載っていると面白さが増したと思うのですが、【Part2】など出されては如何でしょうか、リトル・モアの編集さま…? 今回のオススメ度 ★★★★☆(見たら絶対、「この物件、住んで見たい!」と思う読者もいる筈。不動産屋さんに向かう前に、是非本書で要チェックですぞ?) |
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光の戦士三十五年の歩み 竹書房 2400円+税 |
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| ギリギリまで頑張って・・・ みたものの、予定より半年も遅れて発売の運びとなりました本書、【平成ウルトラマン】ファンの皆様、大変お待たせ致しました〜! そもそも私が再び【ウルトラマン】に興味を持ったキッカケは、一昨年前にTVゲームの作中にて【ウルトラマンガイア】の存在を知ったのが始まりだったのです。それまで私の知っていたウルトラマンは1980年にTV放映された、その名も【ウルトラマン80】が最後で、以降コツコツと地球防衛の使命を果たすこの正義の宇宙人の累計が30人を軽く突破していようとは思わなかったので結構驚きました(笑) 【ウルトラマンゼアス】って何?【ウルトラマンナイス】って?? 物凄く気になります…レンタルビデオ屋に思わず足が向きそうな自分に、ただただ苦笑。 最近のシリーズは子供より親の方が夢中になっていたり、過去のウルトラマン・シリーズとは設定上無関係なのだそうですが、バルタン星人などの超有名怪獣なんかは世代を超えた敵役として登場しているみたいですから、「親子揃って楽しめる子供番組」と言う点では素晴らしいですよね? パパ・ママ・子供は勿論の事、独身のオールド・ファンの方にも上下巻集めて戴きたい【ウルトラ究極本】、颯爽と登場です!! 今回のオススメ度 ★★★★☆(上下巻併せると、収録されているウルトラマン&怪獣の総数は1600体、その名に恥じぬ【ウルトラ】な一冊です」!) |
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東京街歩き委員会 NHK出版 680円+税 |
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| 遠くのお遍路さんより、近くの七福神 つい先日、長野善光寺の【秘仏ご開帳】が終了致しましたが、最近は年配の方々の間で、【西国八十八個所巡り】、【東国三十四個所巡り】といった【お遍路さん】人気が出てきているみたいですね? 本来は願掛けの為の巡礼の旅だったみたいですが、最近のブームはウォーキングや観光を兼ねておこなっている方が圧倒的に多いみたいですが…四国や関西に、関東からわざわざ出向くのはちと予算的に厳しいと思いませんか? そう思っているお父さん&お母さん、【七福神巡り】は如何です!? 本書に掲載されているのは、東京の代表的な七福神を含む18のコース。 お遍路さんよりも距離は短いので、日帰りも可能だし、谷中・深川・浅草・新宿といった有名スポットがコース中に入っているので、グルメ案内などもあり、ウォーキング目的の方には最適かもしれませんね(^_^) お参りのマナーなんかも親切に説明されておりますから、暑い夏を迎える前に、ぶらりと出掛けてみませんか? 今回のオススメ度 ★★★★☆(余談ながら【新宿七福神】の弁才天を奉る抜弁天は、「源氏に縁ある巌島神社」、恵比寿を奉る稲荷鬼王神社は、「全国でも同じ名を持つ社名が存在しない神社」と言う珍しいお社で、原口一番のオススメです。本書を片手に是非お参りしてみては如何でしょうか?) |

≪一冊入魂≫
第18回 『骨董あなろ具屋』
| 骨董品はお好きですか? アンティークなものって結構好きなんですよね。例えば古い朝鮮のタンスだとか、ブリキのおもちゃだとか。 何というのでしょう、あの先進技術にはない味とか風合いといったものが好きなんです。今回紹介する作品はそんな骨董、しかもちょっといわくつきの品物を扱う『あなろ具屋』が舞台の作品です。 ちなみに今回はちょっと前に発売された作品の紹介です。何故かといいますと、先日自宅にある大量の本を片付けていたら読んでいない本がたくさん出てきまして、この『あなろ具屋』もそのひとつ。まさに掘り出し物といった感じでした(笑)。ということでちょっと遅めの紹介となっています。 たまにはこんなのも良いでしょう? |
| 骨董あなろ具屋 山野りんりん 集英社 全1巻 390円+税 |
| まずは簡単な作品紹介から。 ここは商店街『ザウルスモール』の奥の奥の奥のすみっこにひっそり佇んでいる古〜いお店『骨董あなろ具屋』。 そんな路地裏の営業中かもわからないようなお店の中には、怪しい電気じかけの車、なぜかピータン。なんかコワイアンティーク人形。錆びて回らなくなった地球儀。訳わかんない字で書かれている超黄ばんだ本…などなど、値段の相場がまったく見当もつかないような品物がてんこもり。 そんなお店にたま〜にやってくるお客さんの前に現れる2人の店員、小夜子と直彦。売上が少なくたって良いんです。だって売っているのもは商品だけじゃないんですから… このお店に並んでいる品物にはさまざまな思い出が詰まっているものばかり。お客さんが選んだものによってさまざまなお話が広がっていきます。収録されているのは全部で12個のエピソード。特に好きなエピソードのうちのひとつを次のコーナーで紹介したいと思います。 |
| 超私的お気に入りエピソード セーラとリボン P.67〜82 |
| 本作にはいくつか好きなエピソードがあるのですが、その中でも一番お気に入りのものは次のエピソードです。 今日の『あなろ具屋』の店先はいつもよりちょっと賑やかな雰囲気。1匹の猫にからまれているひとりの少女。 『しっ、静かにしてよ!・・・きいてあたしはね、明日知らない所に連れて行かれちゃうの。だから家出してきたんだから…』 その少女を気にとめず、温泉旅行に出かける店主の小夜子。今回はもうひとりの店主直彦がひとりで店番。実はこの少女は直彦さんのことが好きでした。彼のことはよーく知っていますが、彼は彼女のことを全く知らないんです。 そんな彼女、名前はセーラ。小夜子がいないこのチャンスを是非モノにしようと店の扉を開きます。いつものように笑顔で出迎える直彦。その笑顔にクラクラしている彼女。 ひとつの計画を企てます。何かを買ってそれを直接に直彦の手でつけてもらいそのついでに自己紹介とお茶の誘いをしようとします。店を物色し、ちょうど良い物を見つけます。それはリボン。切り売りしてもらうことに。値段は3千円。セーラが支払いに取り出したのは3つのボタンでした。ちょっと戸惑いながらも受けとる直彦。 計画も最終段階。セーラが直彦にリボンをつけて欲しいと伝えると、直彦は快く引き受けます。幸せも頂点に達し、ついに告白のとき!って思っていたら扉の開く音が。他のお客さんが現れてしまいました。陰に隠れてしまったセーラ。告白のきっかけを失い、直彦とお客さんのやりとりを聴きながらこう思うのでした。 『直彦さん・・・あたし明日知らない所へいってもしあわせでいられる?』と。 それから数日後ひとりの女の子が『あなろ具屋』に現れます。手には『あなろ具屋』で買ったクマのぬいぐるみを抱いて。クマのヌイグルミを貰ってから、それを届けにきた直彦を好きになり、彼目当てで日参しているようです。その女の子は直彦にこう告げました。 『こないだね、直彦さまが文香のたんじょうパーティーでセーラを連れて来てくれたとき、『この人だ。この人が文香の王子様だ!』って思ったの。セーラもそう思うっていってくれたの。』 こんな感じのエピソードがいっぱい入っています。藤子・F・不二雄先生のような少し不思議な物語ばかりです。是非ドウゾ! |