home

2002年2月
フォー・レターズ・オブ・ラブ(ニール・ウィリアムズ) ジャズ・カントリー(ナット・ヘントフ)
エリゼ宮の食卓(西川恵) 時計Begin 人気腕時計ブランド伝説
マダックス スタイル(レオ・マゾーニー) 楽園の音色(山下柚実)
学生旅行じゃらん ペットモデルなワンちゃんたち(日本ペットモデル協会)
あの広告コピーは凄かった!(安田輝男) .地名の謎(今尾恵介)
津山三十人殺し(筑波昭) .
超私的まんが道2≪一冊入魂≫
はじめちゃんが一番(渡辺多恵子) .


フォー・レターズ・オブ・ラブ
Four letters of love
ニール・ウィリアムズ 石川園枝 訳

アーティストハウス 2200円+税
2001年のベスト作品だと私は思います。

大晦日から新年にかけて、グレーストーンズの凍りつくように冷たい海で寒中水泳をしたこともあった。ぼくはタオルを持って、華奢な父さんが海に入っていくのを見ていた。からの衣装ケースのなかでからみ合った針金のハンガーみたいなあばら骨をした父さんは、凍えるような寒さに爪先を丸め、両腕を体から離して歩いているので、両手に見えない鞄を持っているみたいに見えた。

どうでしょう?
これ、お父さんが海に入っていく姿が目に見えるようじゃないでしょうか?
なにかほほえましい感じで。

しかし、この文章はこんなふうに結ばれるんです。

父さんは裸で立ったまま灰色の湾を見つめ、自分が神の声を聞くことになるとは知りもせずに新年を迎える瞬間を待っていた。

そして、そのわずか23行前──この見開きの右ページのあたま──この作品全体の語りだしはこうだったのでした。

ぼくが十二歳のときに、父さんは初めて神様の声を聞いた。


ぼくが十二歳のときに、父さんは初めて神様の声を聞いた。神様はあまり多くを語らなかった。父さんに画家になるようにとだけ言うと神様は、天使に囲まれた席に戻って、さて、どうなることやらと、灰色の街を覆う雲の上から高みの見物を決めたのだった。

役所に勤めていて、絵を描くのが趣味のお父さんが突然──

「ベティ、わたしは絵を描くことにするよ」
当然のことながら、母さんにはすぐには意味がのみ込めなかった。父さんがこれから絵を描くのだと思い、「いいわよ、ウィリアム」と言ってお茶を片付け、父さんを着替えに行かせようとした。……(中略)……「仕事を辞めてきた」父さんは言った。

「こうするしかないんだ」父さんは頭を上げた。父さんのひとことは突然空から子供の死体が降ってきたような衝撃をぼくたち家族に与え、気味の悪い静寂が次々と押し寄せてきた。そのあと、父さんはかろうじて聞き取れるような声で──いや、それは街灯の明かりカーテンの裾を金色に染めるころ、お祈りをすませて薄暗いベッドに入ったぼくが勝手に思い込んでいただけにすぎない、とあとになって言い聞かせたのだが──こう言った。「こうするしかないんだ。神様がそうしろとおっしゃったんだ」



*******************************


小説を建築物にたとえると、この作品の建材はごく普通に用いられているものとは異なるなにかで、建材がそうだから工法もまた普通のものじゃない、とそんな印象を受けました。作者ニール・ウィリアムズはこれが小説デビューということなのですが、このひと、最初からこんなにすごいものを書いてしまって、このあとどうなるんだろうと心配してしまいます。いくら作者本人でもそう簡単には超えることのできないなにかがこの作品では見事に達成されていると思うんですが、うまく説明することができません。

先月紹介した「ウィンターズ・テイル」でも書きましたが、この「フォー・レターズ・オブ・ラブ」では登場人物よりも彼らをとりまく世界の方を優先する書きかたがなされています。世界を表現するために登場人物たちが描かれるということなんですが、くれぐれも注意していただきたいのは、これはその逆ではないということなんです。登場人物たちを描くために、たまたま彼らをとりまいている世界も描かれるというのじゃないんです。先にあるのは世界の方です。そうして、世界は登場人物たちが泣こうがわめこうが、いっこうに応える必要を認めません。さらに、世界は読者であるあなたにも媚びることがないんです。この物語は、登場人物の望みをかなえるために──彼に感情移入した読者の望みをかなえるために──語られるというんじゃありません。もっと大きなものをめざしています。

でも、そういうふうに世界優先の語りがなされたとき──それが成功した場合に、ですが──、登場人物たちはむしろ普通の小説で描かれるよりも重みをもつことができるといえるかもしれません。世界を優先に描く作品内では、彼らの弱さ、みじめさ、小ささすらもが世界に呼応しようとするからです。ある人物の弱さ、みじめさ、小ささがひとり彼だけのためにあるのではなく(単に彼個人の問題なのではなく)、そこで描かれる世界の一要素として貢献することになるからです。その弱さ、みじめさ、小ささは一定以上の強度をもって存在しはじめます。いわば「ちゃんとした・真正な・はっきりした輪郭をもった弱さ、みじめさ、小ささ」とでもいうようなものになります。

停滞することなく、厳しく、非情に──物語は世界を優先にした語りによって進められます。しかし、ちょうどこの非情な語りだからこそ、逆説的なことですが、あなたは、次々に告げられるどんなに不幸な出来事のなかにも語り手のこまやかな愛情を見つけることになると思うんですよ。語り手は登場人物たちを愛していますね。でも、べったりにはならない。

もっと大づかみなことをいえば、私はこの作品「フォー・レターズ・オブ・ラブ」が世界にむけてのラブレターなんだという気がしているんです。その世界のなかに登場人物たちが生きています。

語られる出来事はきわめてシンプルで、読みやすく、上に紹介したお父さんのところのようにひとつひとつがとても魅力的なんです。だから、私はそういう紹介をした方がよかったのかもしれません。わざわざこんなこむずかしい理屈を並べていないで。

しかし、私がこの作品に感動したのは、語られる出来事より以上に語りかたの方になんです。語られる出来事ももちろんいいんですよ。でも、驚いたのはこの作品の「つくり」なんです。「小説を建築物にたとえると、この作品の建材はごく普通に用いられているものとは異なるなにかで、建材がそうだから工法もまた普通のものじゃない」といったのはそのことなんです。










「おまえさんは、弾いとるのとは別の音楽を、頭で聴いとるんじゃわい。ひどく、そいつがかけはなれとるんで、おまえさんは、笑われるんじゃないかと恐がって、その音楽を外に出さんようにしとる。出すんじゃ、な、出すんじゃ。もし出さんと、おまえさんは心の落着きがえられんぞ」
ジャズ・カントリー

ナット・ヘントフ 木島 始 訳

晶文社 1800円+税
とくに若いひとにはおすすめ、といいたいです。

ジャズマンになりたい16歳の男の子がぶつかるこの困難は、おそらく多くの若いひとにすぐにも自分のこととして受け入れてもらえると思うんです。

たとえば、彼は白人のいいとこの坊ちゃんでありながら、黒人のジャズのなかへ入っていこうとしますが、

「ジャズ・ミュージシャンとして世に出るのがこれからも自分の気持にぴったりだろうなんて、どうしてこの子にわかるんだね?」

「おれの言ってるのはな、音楽だけってのより、もっとじぶんの為になることも身につけるべきだってのだ。な、この子は、若いんだ」

「おっしゃる意味は」とぼくは口を切った、「ぼくが白人だから、何かちゃんとした意味のあるジャズはやれないってことですか?」
「いや、そうは言ってない」と、ヒッチコックは言った。
「わたしのは、そういう意味よ」メアリーは、まるで鞭のように言葉をぼくにうちつけてきた。で、じっさい、ぼくはひるんだ。
ヒッチコックは、とつぜん、にがい顔をして立ち上がった。「人生の教師なんてな、おれの柄じゃない」かれは言った。「おれが言えるのは、きみはまだとても若いってことだけだ。でも、おれは、年齢のことを言ってるんじゃない。きみの人生は、あんまり楽々としてたんで、ジャズ・ミュージシャンらしくなるには無理なんだ。」
「それに、あんまり白人ぽくって」と、メアリーがつぶやいた。

「可哀そうな白人の男の子、まだその靴はすり切れてなんかいないじゃないの──それでブルースを手にいれたってあんたは思ってるの!」


どうでしょう? もうこれだけでだいたい想像がつくんじゃないでしょうか? 若いひとはこういうことをいわれたり、考えたりすると思うんです。

しかし、そう悪いことばかりじゃありません。「ぼく」はジャズ・ミュージシャンの仲間たちのもとでいろんなことを学んでいきもするんです。次第にいろんな微妙なジャズの深さが彼のなかにしみていきます。

あるセッションで、譜面が配られ、中心の奏者となるバークに作曲者からこういう問いかけがあるんです。「この曲には題がついていないんだ。この曲は、あんたにどんなことを言ってきかせてるね?」。すると、バークがこうこたえます。「おれには子供たちが遊んでるみたいに聴こえたな。」

「ずばりだ。だからこそ、あんたはここに来てるんだ。おれは、あんたならそれをぴたりと掴まえてくれると思った。よしきた。あんたが子供のときのとおり、やってくれ。街でどんな感じだったか。だれをあんたは好きになったか、だれがあんたを苛々させたか。お巡りや教師や両親なんかを引きずりこんでくれ。そういうの、みんな引きずりこんでくれ。あったとおり、吹いてみせてくれ」

そして、

中心となる物語の筋は、いつもバークによって決められた。かれの両眼は閉じ、両頬はふくらみ、バークは、そのトランペットに物語らせていた。ほんとうにそのトランペットが話していた時があった、とぼくは言いたいのだ──いや、むしろ──ふくみ笑いをし、鼻をならし、唸り、冷笑し、激怒し、すすり泣き、どなり、囁いていた、と。そして、かれはぼくがこれまでに聴いたことがないようなメロディーを創りだしていた。けれども、それらのメロディーを一度聴くと、すぐにそれは聴きなれたひびきをもってくるのだ。フットボールの長いパスみたいに、舞い上がって、ぽいとすくい上げられるメロディーがあった。眠ってるなと思われてるときに、暗闇で話してるみたいなメロディーがあった。
バークと他のミュージシャンたちがその音楽を五回目か六回目かやりおえるころには、ぼくは、幼年時代の記憶から、もう何年も考えてもみなかったいろんな場所のことを想いだしはじめていた。そして、そのころの感じも。


みんながそんなふうに昔のことを思い出しています。バーク自身も演奏を終えて混乱しています。彼は泣きだしてしまうんですが、いまの曲の作者であるモーゼ・ゴッドフリーがこんなふうにことばをかけます。

「そのほうがいいよ」とゴッドフリーは言った。「だれにだって、そのほうがいいんだ。……やあ、泣きたいって感じたら、泣くんだ! さもないと、内部にそういうのがみんなぎゅうぎゅうづめになって、いずれそのうちに、どんな感じもじぶんの外には出せんというふうになるぜ」

こうして、ジャズというのが、自分自身のなかにあるものを外に出すものだということが示唆されるんですけれど、それは自分自身のなかで聴こえているものに正直であるということなんです。流行がどうのということじゃない、他のひとがどうのということじゃなくって、です。流行に合わせようとしたって、自分自身に正直でなければ、なにも表現していないということなんですね。

いちばん上にも引用しましたが、もう一度──

「おまえさんは、弾いとるのとは別の音楽を、頭で聴いとるんじゃわい。ひどく、そいつがかけはなれとるんで、おまえさんは、笑われるんじゃないかと恐がって、その音楽を外に出さんようにしとる。出すんじゃ、な、出すんじゃ。もし出さんと、おまえさんは心の落着きがえられんぞ」









メニュ−は雄弁である。
饗宴で供される料理とワイン、飲み物を箇条書きにしただけの、一見、無味乾燥な品書き。会食者の前に置かれた一片のメニューの、しかしその数行足らずの行間に、客人に対するホストのメッセージが、さまざまに織り込まれている。十八〜十九世紀のフランスの美食研究家ブリヤ・サヴァランのひそみに倣えば、「食卓にこそ政治の極致がある」と言えるのである。
エリゼ宮の食卓
その饗宴と美食外交

西川 恵

新潮文庫 552円+税
何の本を読もうかと考えるとき私の場合、純文には目もくれずミステリーか、科学系の雑学か、エッセイか…、そしてもっとも手を出しやすいのがノンフィクション、というパターンが多くて (だってその時その場にいた人の経験や、特殊な技能・経験の持ち主の話、自分が知らなかった事実って面白いじゃないですか)、そして誰もがたいてい一度は手にする 村上春樹(そしてたいていの人がファンになる)なんぞ読んだ事もないという本屋にあるまじき無礼千万男なのですが、結局のところ今回選んだこの本もノンフィクションだったりする。(いやむしろルポルタージュといったほうがいいのかな)

文庫として出版されたのは昨年(2001年)の6月。
やや硬い内容も含まれる為か、来店されたお客様のウケは新刊本としては今ひとつだったのですが、読んだら結構面白い本です。

ただこの面白いという言葉がくせもの。

この本の場合、面白い=「おーすっげー」とか「ページめくる手がとめられない!」とか、どっかの出版社の広告のように「毎晩寝不足です」とはならない。ましてや、まかりまちがっても「うひゃ ひゃ ひゃ ひゃ」などと笑い声をあげることもない。この本の面白みは、私たちがなかなか知ることのできない舞台の秘話、裏話を垣間見ることです。だから「へ〜」とか「ほ〜」とか「ふ〜む」など、ひょっとすると電車の中で読むとちょっと知的にみえたりもする。(そのように見られたらいいなぁと思ってたりする)

エリゼ宮というのはフランスの大統領官邸のこと。なぜエリゼ宮と呼ばれるのか、また、エリゼ宮が官邸になったいきさつは読んでいただくとして、そのエリゼ宮ではよくフランスを訪れた各国の国賓をまねいて晩餐会などがひらかれます。かつては、そうした会の料理は、専門の仕出し料理店に外注していたのですが、(ドゴール大統領のころまでは厨房が狭く、何十人分という料理を作ることができなかった)ポンピドー大統領になり、厨房を拡張し宮内で料理されるようになったそうです。

さて、いざ晩餐会の準備となり、まず問題になってくるのが招待客となるゲストです。当日の主役である相手国国賓はいいとして、その会の同席者の選定です。誰を呼ぶのか、呼ばないのか。ただの晩餐会ではありません。非常に政治的な意味合いが生まれます。しかしこれは序の口。
次に控えた問題は、晩餐会の席の序列、つまり席次です。フランスという国は (私が今まで知らなかっただけかもしれませんが) 驚くほど分類と等級付けが細かく、それに気を配ります。フランスには公的な役職のポストの序列を定めた政令があり、具体的に六十三のポストを序列順に上げています。それによると1大統領、2首相、3上院議員…21パリ市長 最後の63番目は国営企業会計監査役だそうです。もっともこの政令は1989年に改定されましたが、ゲストがこのポストに当てはまればそれでよいのですが、あくまでこの役職は国内用。参考にはなりますが、万能ではありません。民間企業の社長、俳優、労組幹部etc。ましてや複数の元首が一堂に会する饗宴だったらどうするか。誰を上座にするのか、大統領の隣はどこの国の元首か、正面はどうするか、どことどこの国を一緒にするべきか、あるいは離すべきか。もはや国際政治そのものです。実際このような問題が起こりえることで、晩餐会のぎりぎりまでもめることもあるそうです。(この席次の問題などは結婚された方にはよくわかっていただけるのでは?)

このような席次を取り仕切るのが[儀典課]のスタッフで、メニューの原案を作るのが[執事長]だそうです。これには儀典課のスタッフも口をはさむ事はできません。ただし、すべての決定権は大統領にあります。
執事長はあらかじめ、3種類のメニューを考案し大統領に提出します。
(これがフランスのすごいところですが)大統領はそうしたメニューや席次を人に任せきりには決してしません。歴代の大統領はみな、メニュー等に必ず訂正や、変更の指示を大統領自ら入れているそうです。これらは、エリゼ宮での晩餐会がいかに政治的であるかを示しています。
(特にミッテラン大統領は赤ペン魔だったらしい…)

エリゼ宮での食事は、フランスと同盟国にあるか、フランスとの関係の深さ、大統領と公賓の親密関係により、メニューもワインの銘柄も変化します。また、同じ公賓に対して、2度と同じメニューは出しません。例えばドイツのコール前首相は年に5、6回も訪仏していたため、大変だったようです。また、エリゼ宮のメニューのレシピはどの本にも載っていませんし、どの本からもそのまま採用される事もなく、完全にエリゼ宮オリジナルらしいです。

もし、私がエリゼ宮に行ったら、どんなメニューが用意されるのでしょうか?「フランスとおまえの関係なんか、こんなもんじゃ〜!!」とかいって、水しか出なかったりして…。ま、あんな緊張するとこで飯なんか食いたくないけどさ、せめてエヴィアンぐらいは出してよね。










時計Begin
コミックでまるわかり
人気腕時計ブランド伝説


世界文化社 700円+税
たとえば、「あなたのお宝、何ですか?」と尋ねられたとする。これがベロベロに酔っ払った飲み会の席ならば「しょーがねーなぁ」と言いながらおもむろにパンツをずり下ろそうとする友人が一人いますが、年々進まんとするオヤジ化に対し必死で抵抗するワタシは、周囲の笑いをとる衝動をぐっとこらえつつ「そうだなぁ、いまはこれかな」とできるだけ渋〜く左袖をまくり、腕時計をチラリ。これだけで充分イヤラシイ感じですが、あと3年もすれば「でも今は君の笑顔が最高の宝物だよ」などと完全にエロオヤジ路線まっしぐらになっているのでしょうか…。わかっていてもこう思ってしまう「やっぱ、俺の時計はかっちょえー」

 「時計Begin」という雑誌があります。タイトルまんまで時計だらけの内容で、時計好きにはさながら「月刊 宝塚」のようなものですが(えー、もちろん、毎号買ってます、あ、「宝塚」じゃくて)、その雑誌の中で、各ブランドの歴史をコミックの形を借りて紹介しているコーナーがあります。それらをまとめたのがこのムックです。

特集されているのは、まず
[ROLEX]
── 史上初の完全防水となったオイスターケース・円運動を取り入れ、高効率巻き上げ機構のパーペチュアル・瞬時に日付が変わるデイトジャストの三大発明。まとまったお金があって、何か時計を買おうという人の多くが、ロレックスかオメガを購入候補に入れるほどの人気ぶり。機械式時計人気の牽引者。エクスプローラーU辺りはかっこいいですね。デイトナは形が完成されすぎていて、(ケースも意外と小ぶりだし)あまり好きではないのですが。

それから
[PANERAI] ── 最近の機械式時計の中でロレックス、オメガに並ばんとするほどの人気ぶり。私もほしいですルミノール サヴマーシブル 1000m & ルミノール 40mm フライバック クロノ。この会社の有名な逸話としては、海軍秘密工作員MASによる「アレキサンドリア襲撃作戦」があります。(詳しくは本書で)そのとき使われたのがルミノール サヴマーシブル。

NHKの「プロジェクトX」なみに感動するのが
[A.LANNGE&SOHNE]── 社名の意味は「ランゲ(創設者)と息子たち」。この会社の歴史は、しっかりした一冊の本になるくらいいい話です。

日本だって忘れてはいけない。世界に誇る
[SEIKO] ── この会社がクォーツの開発に成功したことがどれだけ世界に影響をあたえたことか。最近の企業の統廃合あるいは企業のグループ化って、金融や保険の分野が目立ちますし、世界では自動車メーカーのグループ化がかなりダイナミックに行われたりしますが、セイコーのクォーツはそれと同じくらいの動きをおこさせました。

その他にも
[ZENITH] (レインボーフライバックかっちょえぇです)
[Breguet] (アエロナバルほしいっす)
[Cartier]
[PATEK PHILIPPE]

が掲載されています。どのメーカーも歴史というよりまさに伝説でした。

残念ながら、私の愛機[Bell&Ross]は歴史も浅く、載ってませんでしたが、いつか連載してほしいところ。他にもすばらしいブランドはたくさんあります。例えば[IWC] (IWCならGSTパーペチュアルカレンダー、GSTクロノラトラパント なんかイイっすね。開発に資金がかかりすぎて、開発担当者が責任とって辞めてしまった機械式(!)水深計のDEEP ONEもすごいっす。どれも100万オーバーですけどね) [FORTIS] [MAURICE LACROIX](マスターピース ファイブハンズなんかおしゃれで大人の雰囲気でかっこよくて、値段もがんばれば何とかって感じで良いなぁ) [GIRARD PERREGAUX](GP7000シリーズはもうちょとビッグサイズにならんかなぁ)もちろん[Ω:OMEGA]も忘れちゃいけません。

 …と、まぁこの手の話になると、私はもう機械好きのただのサル。
もうキーを打つ手もとまりません。「本の紹介」などすでに置き去りです。
さぁ頑張って、ことしはB42クロノグラフ アラーム[FORTIS]を買うぞ!
待ってろよ、新宿BEST ア〜ンド さくらやウォッチ館!(ダサッ!)












マダックス スタイル
─PITCH LIKE A PRO─

レオ・マゾーニー 佐野之彦 訳

ザ・マサダ 1400円+税
90年代でのメジャーリーグ最強のチームは、4度の世界一になったヤンキースかもしれない。ただ、世界一こそ1度だけだが、地区優勝9回というブレーブスが最強だといってもおかしくないだろう。ブレーブスがマダックス、グラビン、スモルツのサイヤング賞トリオをはじめとする強力なピッチングスタッフによって優勝を重ねてきたことは間違いない。しかし、よほどのメジャー通でないかぎり、その投手王国がレオ・マゾーニーというコーチによる指導理論によって築かれたのだということまでは知らないだろう。

そんな彼の指導理論が書かれているのが本書。
まず、登板しない日もボールを投げる=Bこれは肩は消耗品だから毎日投げると故障する≠ニいう常識のまったく逆をいく。だが、酷使しろと言っているわけではない。登板しない日も、65〜70%の力で投げる。ボールを使った練習をしても、肩を酷使するのではなく、強化していくということなのだ。
実際に行われているブレーブスのピッチングプログラム、そして各選手の意見、さらにリトルリーグや中高生向けのプログラム……、球種別の正しい握り方や投球フォーム、投球術、そしてフィジカルトレーニングまでも紹介されている。マゾーニーの理論だけでなく、マダックス、スモルツ、ラビンなどの選手の考え方や意見なども書かれているだけに説得力があり、実際に彼らに教えてもらっている気にもなります。
ピッチャーや監督・コーチなどの指導者はもちろん、メジャーリーグファンにも読む価値のある本だと思います。

ピッチャーたちの投球すべてにわたって、あなたが彼らと100%時間を共有しているって、本当に素晴らしいことですよ。自分の野球人生でひとつ後悔があるとすれば、それはあなたのために投げる機会がなかったことです。
これはマゾーニーが今まで受けとった賛辞のなかでいちばん気にいっている言葉だそうです。97年のオールスターゲームの前に言われたそうですが、このピッチャーは2002年も彼のために投げる機会はなさそうです。












楽園の音色
─SOUNDS OF PARADISE─

写真/文章 山下柚実

ピエ・ブックス 2800円+税
青い空に白い雲。青い海に珊瑚礁。
白い砂浜にヤシの木。人々の笑顔とやさしさ。
時間を忘れさせてくれる国フィジー。まさに楽園だ。
新婚旅行にも人気のある国というのもうなずける話だ。
とにかく行ったことのある人も、行ったことのない人も
出来れば静かな場所か、ヘッドフォンでCDを聴きながら
ページを開いて見てください。あっ、その前に
BULA!≠ニいう言葉を覚えて声に出して言ってみてください。
さあ、フィジー五感の旅に出発です。
HAVE A NICE TRIP!















学生旅行じゃらん
じゃらん臨時増刊号

リクルート 290円+税
今年も卒業旅行や学生旅行のシーズンがやって来ました。海外旅行・国内旅行にたくさん学生の方が出かけることと思いますが、まだ決まっていない、他にも行きたいと考えている方にぜひおすすめです。短期・長期旅行からカップル・グループ旅行まで温泉・スキー・スノボー・テーマパーク・海外と2月・3月の学割プランがある宿・ツアーが満載です。また、付録としてAB・ROAD学生特別号(まだ、まだ間に合う格安海外旅行)が付いています。卒業旅行の方も学生旅行の方もぜひ参考にして見てはいかがでしょうか!












ペットモデルなワンちゃんたち
モデルデビューするための究極バイブル
117匹のわんこ


日本ペットモデル協会 監修

新紀元社 1200円+税
テレビや雑誌で見かけるかわいいワンちゃんたち、どの子も賢くて特別に見えますが、じつはごくふつうの家庭でペットとして飼われている子がたくさん活躍しています。それぞれに個性あふれる117匹のワンちゃんたち。その魅力的な素顔をかわいらしくたっぷりと紹介しています。また、モデルになるための基本的なノウハウからペットモデルの仕事内容までわかりやすく書かれています。巻末には協会の応募用紙もついていますので、もしかしてうちの子にもチャンスが・・・・・なんて思った方はぜひ申し込んで見たらいかがでしょうか、もしかするとあなたのかわいいワンちゃんが国民的大スターになっちゃうかも!









あの広告コピーは凄かった!
心に響いた優秀コピー900選

安田輝男

中経出版 2400円+税
 つい先日の事、不肖・原口を含む昭和堂の社員一同は、店長より一枚の原稿用紙を渡されました。聞けば今度電光掲示板で放送する、お店のキャッチ・コピーを全員で考えて欲しいとの事…K

とは言う物の、そうぽんぽんとアイディアが沸いて出る訳も無く、途方に暮れていた時…書棚の片隅から現れた【救世主】がこの一冊です。

ページをめくれば出るわ出るわ、懐かしのフレーズから流行語にまでなった超有名コピー、今尚現役なキャッチがおよそ900篇!!

      スカッと爽やかコカ・コーラ

       とか、つい先日国会議員を辞職なさった大橋巨泉さんの

           
ハッパふみふみ

            年配世代には懐かしい、筆箱のCMで

     象が踏んでも壊れません

…などなど。その他にも【活字の魔術】と評しても過言で無いような妙味溢れる広告を目にして、仕事も忘れて読んでしまいましたy

さて、この記事がHPにアップされる頃には、昭和堂の新キャッチも決まって、電光掲示板に登場しているかも知れませんが、一体どんなフレーズになるのやら…。それは見てのお楽しみって事でL


今回のオススメ度 ★★★☆☆(用途が小売業やライター関係者に限定されそうですが、サブ・カルチャーものとして読んでも面白いと思いますよ?)

※ え〜横合いからいわせてもらいますが、その昭和堂の新キャッチは不肖・原口くんのに決まりました。即決でありました。……というご報告まで。









地名の謎
その由来から日本がわかる!

今尾恵介

新潮OH!文庫 526円+税
  ♪浦和〜浦和、ウラ・浦和〜、
   浦和にゃ七つの駅がある♪

 …ってな替え歌を披露した漫画家さんがおりましたが、現在のさいたま市・浦和地区には本当に七つの鉄道駅があるそうで…

地名と言う物は、その土地特徴を表し、歴史研究や地理学の上で非常に重要な要素をもっています。

普段何気なく呼んでいる道の名にも、何らかの意味が込められたりしていて、結構調べてみると楽しいものですL

本書はそんな由緒正しい地名から、思わず「?」を連発してしまう珍名・奇名が大集合!例えば昭和堂のある「習志野市」…ここは明治天皇が観閲式の際に命名された由緒あるお土地柄で、「原野にて志を習ふべし」の言葉から来ているとか。

一方、珍名に目を向けると同じ千葉県の沼南町にはわしの谷と言うバス停が実在するそうですが…一体、所有者は誰なんでしょうね?

その他にも興味深い地名のお話が沢山紹介されているのですが、本コーナーでは披露しきれないので、興味のある方は是非お手にとってみて下さい。

今回のオススメ度 ★★★☆☆(地理学・歴史に興味の無い方でも結構楽しめます。話題のタネにはもってこいかも。)







津山三十人殺し
日本犯罪史上空前の惨劇

筑波 昭

新潮OH!文庫 733円+税
  貴方は覚えていますか?
  昨夏流行した、あの怪談を…


 昨年の夏、ネットを中心にして全国へ広まった【恐怖の杉沢村伝説】…。
ある村の若者が住人を虐殺し、村自体が忘れ去られ、訪れた者に呪いが降りかかると言う怪談話は、一時TVでも取り上げられましたが…。

  過去に実際起こった話だと言って、貴方は信じられますか?

昭和13年に岡山県のとある散村で起こったこの惨劇は、一人の青年の手によって住民29人が死亡し、後に犯人も自殺を遂げると言う、日本の犯罪史上他に例を見ないほどの大事件でした。

「1人殺せば犯罪者、100人殺せば英雄だ」みたいな物騒な物言いをする方も居られましょうが、人殺しは何処まで行っても所詮人殺し。罪の重さは増す一方なのですが、それに気付かない愚かな人のなんと多い事か・・・。

本書の著者は、この事件を紹介する事によって、現在の非・道徳行為の横行する世の中に警鐘を鳴らしたかったのだと思いますが、皆さんどう思われます?

今回のオススメ度 ★★★☆☆(現在横行する凶悪犯罪にも通ずる、史上最大の殺人事件の全貌を克明に記録した一冊。)




≪一冊入魂≫

第2回 『はじめちゃんが一番!

 リニューアルいかがでしたか?

  某出版社の営業の方からはこっちのほうが≪らしさ≫が出てるといわれました。ということでこれからもいい形を模索しながらいこうと思っていますのでお付き合いくださいませ。

  ただ自分好みの作品ばかりになってしまうと、旧作がメインになってしまいあまりにも発展性に欠けるので、なるべく書き込む前の月あたりに読んだ作品の中から選んでいこうとは思っています。今回は正月に何気なく買って大ハマリしている作品です。正月休みの用事の合間にずっと読み続けていました。そのときの熱さが伝わればかと思います。今月発売の9巻と外伝でようやく完結。

皆さんも是非一気読みでドウゾ!





はじめちゃんが一番!

渡辺多恵子

小学館 8巻まで 各562円+税
  まずは簡単な作品紹介から。

 主人公岡野はじめはどこにでもいるような普通の高校3年生。ただひとつ違うのは変わった弟たちがいること。その弟たちはなんと5つ子!しかも大人気のアイドルグループ≪A・A・O≫だったりする。
 最初は反対していた彼女でしたが、事務所の先輩グループ≪WE≫のメンバー和田瑞希に一目惚れしてしまい、しかも彼に騙され(?)A・A・Oのマネージャーまでしていくことになってしまいます。世間知らずの弟たちと一緒に、6人目のメンバーとしてはじめちゃんの苦労の日々は続くのでした・・・


 この作品、読む前から結構印象に残っているんですよね。ちょうど私がこの仕事を始めた頃、まだ別冊少女コミックで連載していて、コミックス担当を始めたばかりでも『ものすごく売れる作品だなー!』と思っていました。しかも新刊出るたびに既刊分もドンドン売れる。この頃からいつかは読んでみようと思っていたんです。

 で、以前書いた『ファミリー』を読んだ後、一気に全巻買ってしまおうと思って注文しようとしました。ですがなんと品切れ。しかも重版予定なし。『う―――ん、困った。』と思っていたら、さすが小学館さん!文庫版で復活してくれるなんて。ですが月2冊ずつ買っていくとたぶん待ちきれなくなりそうだったので(『ナンバーファイブ』と一緒です)、ここまで待ったのならもう少しと思い6巻が発売になってから購入。しかも正月休みで時間はたっぷりとある!

 いやーっ面白い!

 基本的には芸能界を舞台にしたコメディなのでチョット現実離れした事件が次から次へと起こるのですが、その裏側で見せるはじめちゃん他登場人物の内面が絶妙に描かれている。芸能人だって1人の人間という感じですね。ただ比較的にノーテンキなキャラが多いので本当に明るく読みやすく、時にホロっとさせてくれます。この原稿を書いている時点ではまだ完結巻が発売されていないのでどうなってしまうのかが非常に楽しみです。

 これで渡辺先生の作品の紹介も3作目、先生の作品の大半を読破してしまいました。あとは短編を読んでいこうと思います。少女マンガはチョットと思っている男性の方にも先生の作品はかなりハマれると思います。これを読んで気になった方、是非御一読を!

一緒にハマろうじゃないですか!!
超私的お気に入りキャラ

江藤 亮(WE)
  超私的なお気に入りのキャラは江藤亮。興奮するとすぐ鼻血を出すはじめちゃんもいいのですけど・・・

 作品の開始当初ははじめちゃんの天敵的存在。事あるごとに彼女の神経を逆撫でしていきます。しかしそれははじめちゃんの思い込みが強いせいもあるのですが・・・だが本能で生きている(?)5つ子たちはベッタリ。次第にはじめちゃんも彼の本当の姿を理解していき惹かれている様子が読んでいる我々にも本当に良く伝わってくる。この辺が渡辺作品の魅力ですよね。

 で江藤亮ってどんなヤツ?というと本当に捉えどころがないキャラ。この作品の中でかなり異質なキャラでもあります。WEの相棒である瑞希にベタボレ(とはいっても耽美な世界でなく)で、彼のためなら何でもOKしてしまう。一見素っ気なく辛辣な発言も目立ちますが、すべては彼が感情表現がうまく出来ないため(出来ない理由は作品を読んでください。この辺は作品のキーなのであまり触れたくない)なんです。けれどはじめちゃんのことは大のお気に入りのようで、何かあるたびにいろいろアクションを起こすのですがいつも逆効果。だけど彼女とのやりとりを重ねていくうちに彼が徐々に変わっていくのも良く伝わってくる。

 変わっていく2人。瑞希一筋のはじめちゃんが亮への意識が大きく変わる場面があります。

 A・A・OのライバルTIBの策略にはまって落ち込むはじめ。追打ちをかけるように

 『付き人やめたほうがいいいよ。場違いだよあんた。』と亮の一言。

 芸能界の人間を誰も信じられなくなり事務所を飛び出す。途方にくれて泣き明かす彼女を最初に発見したのは彼女が世界中で一番会いたくなかった亮。いつものように泣き腫らした顔を笑い飛ばす。怒るはじめが亮に問いただす。

 『何で笑いながら嘘なんかつけるの?どうしてあんな人たちがいるの?ここが芸能界だからなの?』

 亮が答える。

 『だからやめろって言ったのに。きっとそんなふうに泣くと思ったからさ。傷つく前にやめちゃえばいいと思ったんだよね付き人。』

 さっきの言葉の真意に気付き怒り出すはじめ。それを見て笑いながらつぶやく亮。

 『いつものはじめちゃんだなあって思って。帰ろ?』

 はじめは思う。

 ≪『帰ろう』ってなぜだか思えた。悲しくて6時間泣きつくした場所から 二度と動かないと思ってた足で≫(文庫版7巻P23〜)


 この後どうなってしまうんだろう?まだ8巻まででは判りません。気になる、気になる。我慢できずに読んだことのある人に聞いてしまいました。詳しくは聞かなかったのでもうすぐ発売の9巻でしっかり読み込もうと思っています。ただハッピーエンドを望むだけです。
home