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2001年5月
ミシン(嶽本野ばら) 天の夕顔(中河与一)
納棺夫日記(青木新門) 東京現代建築ほめ殺し(建築三酔人)
フーコーの振り子(ウンベルト・エーコ) 盲導犬クイールの一生(石黒謙吾)
できる新入社員になる(寺松輝彦) イチロー・インタビュー(小松成美)
うさぎのきもち/ハムスターのきもち/子犬のきもち
(森田米雄 写真)
谷村新司のふらり旅 〜粋づくし「旅」の手引き
(谷村新司)
娘が教える65歳からの手取り足取りパソコン入門
(高橋浩子)
いちばんやさしい次代ケータイの本(金子直樹)
超私的まんが道
ナッちゃん(たなかじゅん) 築地魚河岸三代目(はしもとみつお)
世界一さお師な男 伊達千蔵(高橋ゆたか) .



あの日、逃避行決行の日の朝、雪が降っていたのを貴方はご存知ですか。迷っていたのです。あの日の朝まで。本当に貴方と今から逃避行に出掛けてよいものかと。断る理由なぞありませんでした。しかし、やっぱり、恐かったのです。たまらなく不安だったのです。結局、私はふっきれないまま、あの朝を迎えてしまったのです。いつものように家を出ました。すると、テレビでいっていたように雪がちらちらと降っていました。何だかとても嬉しくなりました。すぐに貴方の顔が思い浮かびました。雪が降っていることを、雪を見て幸せな気持ちになったことを、貴方に伝えたくなりました。その時、私は決心したのです。というか、解ったのです。私には貴方が必要であることが。難しいことを考えずともよかったのです。雪が降っているのを見て、それを貴方に伝えたいと思った。その気持ちだけで逃避行をする理由になるのです。全てを投げ出して、逃避行をする理由になるのです。
ミシン

嶽本野ばら

小学館 1000円+税
昭和堂ファンの ゆずはさん(仮名) から
おすすめを紹介していただきました。
はじめにお断りしておきますが、ちょっとくせのある文章で書かれた本です。お洋服のブランドの名前やなんかが、お話のなかで重要な意味をもっていたりもします。そういうところに抵抗のあるひともいるかもしれません。だから、ここでは、そういった専門用語(?)にはあまり重きを置かずに、お話全体のトーンをお伝えしようとするにとどめます。
読んでみて、やっぱりくせが強くって馴染めないや、って思われたなら、それはそれで、しかたがない。でも、そこを通りぬけたところに、他の本にはないような、この本の良いところ、美しいところがあると、信じます。(って、大げさかな。)


ふたつの短篇が収められています。「世界の終わりという名の雑貨店」と、表題作「ミシン」。ここでは、「世界の終わりという名の雑貨店」を紹介しましょ う。


舞台は京都。雑誌のライターの仕事をしていた「僕」は、あることがきっかけでライターを辞め、ほとんどなりゆきといっていいようないきさつで、雑貨屋さんを開業することになります。お店の名前は「世界の終わり」。敬愛するファッ ションデザイナー、 Vivienne Westwood のお店の名である「WORLDS END」を、そのままいただいてきたのでした。この雑貨店、ちょっと古くさくて、不思議な感じです。店内の照明は蝋燭の灯りだけ。お店で商っているのは、たとえばこんなもの。


口の少し欠けた香水瓶、燭台、小さな陶器の少女人形、ケロヨン、薬袋、木製のマリア像、セルロイドの筆箱、櫛、ブリキのままごとセット、中原淳一のポストカードやハンケチ、牛乳瓶、くるくるくるみちゃんの着せ替えセット、バービー人形、オキュパイドジャパンのコーヒーカップ、アンティークレース、リボンの騎士のトランプ


などなど。
……なんだか、売れたからってたいして儲からなそうですね。でも、儲からなくったって、「僕」はそれほど気にもしないのです。


このままいけばじり貧であることは、解っていました。だからといって、僕は自分の商売の方法を変えたり、生活を切り詰めることをしようとはいたしませんでした。僕にとってそんなことをするのは、貧乏臭いことだったからです。貧乏であることは僕の中で、ちっとも悪いことではありませんでした。しかし貧乏臭いことは諸悪の根源でありました。


では、貧乏と貧乏臭いとは、どこが違うのでしょうか?


例えば、僕のマンションには金子國義のリトグラフが数点あります。本当は國義の油彩が欲しいところですが、僕は油彩なぞ買うだけのお金を持っていません。だからリトグラフで我慢するのです。この貧乏を、僕はちっとも悲しいことに思いはしないのです。しかしそのリトグラフを買って、それをプラスチックの安い額で額装することは、いけないことだと思うのです。貧乏臭いことだと思うのです。リトグラフしか買えずとも、とびきり高価ではなくともある程度お金をかけたお気に入りの額に絵を入れることをしなければ、貧乏は悲しくなってしまいます。 (中略) お金がないからといって、自分のライフスタイルを制限することはとても貧乏臭いことなのです。自分のライフスタイルを制限し、貯蓄をし、通帳の残高を確実に増やしていったとて、それが何になるのでしょう。僕はお金がなくなれば借金をしてでも、自分のライフスタイルを守っていくつもりでおりました。


見栄っぱりといえばそれまでかもしれませんし、そんなことで借金するなんてばかげている、ということだってもちろんできます。でも、なんだかちょっと恰好よくはないですか? 「僕」はそんなふうに、貧乏ではあるけれどけっして貧乏臭くはない生活を、大事にしているのです。


時代に取り残されたような、というより、あえて時流に逆らおうとするかのような「僕」と、「僕」そのもののようなこの雑貨店。そうしてある日、ひとり の少女が「世界の終わり」にやってきます。ほの暗い店内をおずおずとのぞいている少女に「僕」は、「どうぞ、お入り下さい」と声をかけます。自分から お客に声をかけるなんて、ほとんどしない「僕」だったのに、です。


君は僕の声に後押しされるような形で、ようやくお店の扉を押し開き、店内に 入って来ました。その時の君といったら! (中略) 僕はここまでVivienne Westwood を当然の如く纏っている少女を見たことはありませんでした。



Vivienne Westwood のお洋服というのは一風変わっていて着こなすのはかなりむつかしいのです。ところが、です。


店内をゆっくりと見渡した君は、そのアイテム一つ一つが癖のあるものであるにも拘らず、まるで部屋着のように、しっくりと、Vivienne Westwood を着こなしていました。ナチュラルという表現は妥当ではないでしょう。なにしろ、Vivienne Westwood のお洋服というのは、非道く反自然的なフォルムを持つものばかりですから。そう、いうなれば生まれながらの戦士が甲冑を纏うが如く、君はVivienne Westwood を纏っていたのです。


いくら変わったお洋服だからといって、甲冑とまではいかないだろうと思うのです。が、ここで甲冑という表現が出てきたのには、ちゃんと理由がありました。と、いうのは、Vivienne を完璧に着こなした、お人形のように美しい彼女の顔には、大きなあざがあったのです。透き通るような肌をした彼女の顔にあって、黒いあざは残酷なほど目立ちました。のちに語られることですが、そのあざのせいで彼女は、自分にはどんな女の子らしいことも、恋もお洒落も似合わないのだと思うようになってしまったのです。そうしてなにもかもをあきらめて生きてきたのでした。ところが、Vivienne のお洋服に出会った彼女は、生まれてはじめて、これだけはゆずれない、どうしても手に入れたい、と思ったのです。あざを隠すかのようにうつむいて生きていた彼女は、Vivienne のお洋服を着ることで、はじめて顔を上げて街を歩けるようになります。彼女にとって、Vivienne のお洋服というのは文字通り、世間と闘うための戦闘服、甲冑であったわけです。


こうして、世間というもの、時流というものと闘うふたりは、運命的な出会いを果たします。世界の終わりという名の雑貨店で。


Vivienne のお洋服を全身に身につけたその少女は、それから毎日のようにお店にやってくるようになります。彼女に心惹かれ、彼女の訪れを心待ちにしながら、「世界の終わり」での「僕」の日々は過ぎていきました。
しかしそんな日々はあっさりと終わりを迎えます。ビルのオーナーに立ち退きを迫られた「僕」は、店をたたみ、少女との逃避行を決意します。
逃避行。甘く、ほの暗く、儚い響きですね。世間に背を向けたふたりは、逃避行に出るしかなかったのです。
そして、ご多分にもれず、少女と「僕」との逃避行も、悲しい結末を迎えます。少女の両親の手によって、ふたりは引き裂かれます。そして、「僕」のもとに、少女からの手紙が届くのです。


あの日、逃避行決行の日の朝、雪が降っていたのを貴方はご存知ですか。近畿 地方の都市部には初めての雪だと、朝のテレビがいっていました。迷っていた のです。あの日の朝まで。本当に貴方と今から逃避行に出掛けてよいものかと。断る理由なぞありませんでした。しかし、やっぱり、恐かったのです。たまら なく不安だったのです。気持ちは行こうとしているのに、身体がひるんでしま うような、そんな感じでした。ママの貯金を黙って下ろしたり、学校をサボター ジュするのとは、覚悟が違います。結局、私はふっきれないまま、あの朝を迎えてしまったのです。いつものように家を出ました。すると、テレビでいっていたように雪がちらちらと降っていました。何だかとても嬉しくなりました。すぐに貴方の顔が思い浮かびました。雪が降っていることを、雪を見て幸せな 気持ちになったことを、貴方に伝えたくなりました。その時、私は決心したのです。というか、解ったのです。私には貴方が必要であることが。難しいことを考えずともよかったのです。雪が降っているのを見て、それを貴方に伝えたいと思った。その気持ちだけで逃避行をする理由になるのです。全てを投げ出して、逃避行をする理由になるのです。


この小説においては、話のすじなんてどうだっていいのです。ほんとうは、ここに描かれている恋すら、たいして重要ではないのかもしれません。他人とはわかちあえない<哲学>。それを、世界でただひとりわかってくれる、<運命のひと>。古くさくて陳腐な、「逃避行」に意味を見出したりするような、ロマンティシズム。でもその陳腐さの核をなしている気持ちは、結局のところ、ひとの心の中での、変わらない部分でしょう。つよくて、美しいもの。なにものにも屈しない意志。風変わりな恋のお話の中で語られるのは、そんなつよい心のことなのです。
自分が自分であることを守ろうとした、ふたりの物語です。








これが、わたくしが、彼女と逢って、彼女から突き離された最初でありました。
しかし、そのために、わたくしは今に至る二十幾年、あの人のことを思いつづける運命を持つようになったのです。わたくしたちは生涯をかけました。これは、どうお話しすればよいのか。わたくしは、あの人を思う思いに、今もたえがたい命を生きているのです。
天の夕顔

中河与一

 新潮文庫 324円+税
サテ、コレハ、ドウゴ紹介スレバヨイノカ……なんて、私も困っているんです。
つい数日前に、ものすごく散らかった私の部屋の、崩れた文庫の山の端っこに、たまたまこの本が顔を出していたんです。たしか恋愛小説だったよなあ、と以前に読んだ記憶を探るのでしたが、よく思い出せない。それじゃあ、とまた最初から読み直してみたんです。
そして、……。

ああ、あの時、すべてが静まり返り、わたくしたちの近くの、大きい木も小さい茂みも、シーンとなって、わたくしたちは、わたくしたち二人だけを、非常な集中で意識しあったのです。わたくしたちは永久に離れないでこうしているにちがいない。そして流れている時間が、急にピッタリと止まったような気がすると、わたくしたちは永遠の中に住んでいるような気がしました。
わたくしたちの心の中に流れている静かな愛情は、もう完全に一つになっていました。こんなに一つになったと思うことが、人間の生涯に幾度あるでしょうか。


うわあ、なんなんだ、これは。
そして、

しかし、ふと、その時、こんなに近くに坐っていても、いつか我々にも別れる時があるのかと思うと、急に悲しくなって涙が出そうに思われました。恋人たちの喜びというものは、その頂点でいつも悲しみを用意しているように思われました。

おおおおおおおお……。
もっと行きますか?

わたくしはその時、ふとあの人の足を見ました。それは素足でしたが、そこはかとない夕暮の光の中に、小さい指が奇麗に並んで、それは丁度女の姉妹たちが、肩を並べあっているように可憐に思われました。
「さわらして下さい。あき子さん」

うわあああああ。いまのが全部ひとつづきの文章なんですぞ!

そこで、わたくしは少し向きの変った彼女の背中から手をおろすと、そのまま彼女の身体を自然に抱いて、そして二人は突然唇を触れあったのです。
空には琴座のベガが、十字になって青白く、月のように光り、わたくしが手を離すと、今度はあの人が、強く、もつれるように握りしめたのです。
「これでお別れになるんじゃないでしょうね」
ふと、わたくしは不安に襲われて言いました。すると、あの人は眼をうすく閉じたまま明らかに首をふって言いました。
「お手紙ちょうだいね」


あああああああ。いったい、なんなんだあ!

みなさん、これは絶対読んでみてほしい! すごいんですから。もう最初から最後までこれなんですぞ! もうなんていうか、特別天然記念物級のものすごさなんです。
いやいや、笑いすぎました。
しかし、ここまで徹底的にやられると、ほんとに「凄み」が出てくるものなんです。中途半端にやられちゃ、まったくどうしようもない笑いものでしかないんでしょうが、終始一貫! 徹頭徹尾! 貫徹! ということになるとものすごいことになる。 もしかすると非常な美しさにもなる。エゴイズムの極致! ナルシシズムの極北! ってほどにもなる。恐ろしいユーモアってことにも。
これとまったく同じ内容で、他の誰かが小説を書いたとしましょう。きっとそれは失敗作ですよ。
それにね、もしかすると、この作品をそういう視点では読まずに、真正面に受け止めて涙を流すひとだってあるでしょう(そういうひとがこの紹介文を読んでいたらごめんなさい)。でも、私、けなしているつもりじゃないんです。むしろ褒めているんです。この作品はたしかに光を放っていますよ。

昭和13年の作。簡単にあらすじを紹介すれば、こうです。語り手が学生であったとき、7歳上の人妻と恋愛します。それから20年以上、ふたりは離ればなれでいながらもお互いを思いつづける、というわけなんです。ふたりが逢うのはその年月の間のほんのわずかでしかありません。

しかしわたくしの心にもまたあの人と同じように自分に打ち勝つことを美徳とする精神があったのです。逢いたい。しかしそうすることはあの人に苦痛を与える以外の何事でもない。
もし運命が許しているのなら、自分たちは必ずいつか逢えるにちがいない。もしそれが真実の愛ならば、それは生涯を貫き、忍耐を教え、絶望も死をも追っ払わすにちがいない。そしてわたくしもまたどうかして彼女から離れようと心を励ますようになりました。

「どうしてあなたは人妻であるわたくしに求めなければならないんでしょう、それがわたくしたちを破滅さすことをお考えになれないのでしょうか」
わたくしはしばらく黙っていたが言いました。
「僕はいつまでもあなたを待ちましょう。あなたの心が自由になれるまで、僕はあなたが六十になられるまで待ちましょう」

そして、

わたくしは考えました。もし寂しさということが、自分に背負わされた運命なら、自分はその寂しさに徹しよう。たとえ荒涼とした山の中にはいっても、そこに自分の心の住家があるのなら自分はそこで暮らしたい、どんな不自由をしても、どんなに孤独に陥っても、この世の冷徹無残の中にいるよりは、いっそ天に近いところに行って、自分のかなしい生命を終った方がいい。

それで彼はほんとうになにもかも捨てて、ひとり奥深い山のなかで暮らしはじめるのです。

そして間もなく、わたくしは明けても暮れても、雪ばかりの中で、たった一人きり、話しかける人もなく、見るものもなく、そうなるとまた次第に心の奥底にあるあの人のことを思うより、その単調さを破るものがなくなってきたのです。
わたくしはただわたくしだけに木だまする雪山の中で、最も、激しい愛情を現わすあらゆる名で、彼女を狂気のように呼びつづけるのです。そしてそのことだけがわたくしに生きる力を与えるように感じだしてくるのです。

わたくしはどんな苦難に堪えても、彼女のかたわらで、ほんの少しの間でも幸福に、平和に暮らしたい。ほんの一瞬でもあの人と暮らせたら、そのためにはどんな悲しい思いも、寂しい忍耐も、全部つぐなわれるにちがいない……

年があけてもそれから六カ月もしなければ青いものを見ることさえできません。それまでの長い長い冬の間は、ただ白い雪と、嵐の叫び声と、わたくしを不安にする不可解な音ばかりで、さすがに堅固なわたくしの意志さえ、今はほとほと挫けそうに思われてくるのでした。それは実際長い長い冬でした。そしてわたくしはついに敗北しそうになりながら獣と同じような冬籠りの後に、それでもふとある日、雪の中に鶯の声を聞いたのです。

どうでしょう? 彼はこのときもう40歳なんですぞ。そして彼女は47歳だ。

これは一読に値します。はじめは笑いこけていた私も、とうとう「すごいものを見た」という思いで終いのページを閉じることになったのでした。










納棺夫日記
(増補改訂版)

青木新門

 文春文庫 437円+税
小説じゃありません。実話です。
著者青木新門というひとは実際にこういう仕事をしています。


久しぶりに、湯灌・納棺の仕事が入った。
今日の家は、行き先の略図を手渡された時は気づかなかったのだが、玄関の前まで来てはっと思った。
東京から富山へ戻り最初につき合っていた恋人の家であった。
十年たっていた。瞳の澄んだ娘だった。
コンサートや美術展などよく行った。
父がうるさいからと午後十時には、この家まで度々送ってきたものだった。別れ際に車の中でキスしようとすると、父に会ってくれたら、と言って拒絶した。それからも父に会ってくれと何回か誘われたが、結局会う事もなく終わってしまった。
しかし、醜い別れ方ではなかった。
横浜へ嫁いだと風の便りに聞いていた。来ていないかもしれないと思い、意を決して入っていった。
本人は見当らなかった。ほっとして、湯灌を始めた。
もう相当の数をこなし、誰が見てもプロと思うほど手際よくなっていた。しかし、汗だけは、最初の時と同様に、死体に向かって作業を始めた途端に出てくる。
額の汗が落ちそうになったので、白衣の袖で額を拭こうとした時、いつの間に座っていたのか、額を拭いてくれる女がいた。
澄んだ大きな眼一杯に涙を溜めた彼女であった。作業が終わるまで横に座って、私の額の汗を拭いていた。
退去するとき、彼女の弟らしい喪主が両手をついて丁寧に礼を言った。その後ろに立ったままの彼女の目が、何かいっぱい語りかけているように思えてならなかった。
車に乗ってからも、涙を溜めた驚きの目が脳裏から離れなかった。
あれだけ父に会ってくれと懇願した彼女である。きっと父を愛していたのであろうし、愛されていたのであろう。その父の死の悲しみの中で、その遺体を湯灌する私を見た驚きは、察するに余りある。
しかしその驚きや涙の奥に、何かがあった。
私の横に寄り添うように座って汗を拭き続けた行為も、普通の次元の行為ではない。彼女の夫も親族もみんな見ている中での行為である。
軽蔑や哀れみや同情など微塵もない、男と女の関係をも超えた、何かを感じた。
私の全存在がありのまま認められたように思えた。そう思うとうれしくなった。この仕事をこのまま続けていけそうな気がした。




これはほんとにぎょっとさせられる文章じゃないでしょうか?
これで私は、実をいうと、この本のいわばクライマックスの場面を丸写ししてしまったことになるんです。
しかし、この引用は絶対にあなたの読書を損なわない、と信じています。
そして、むしろこの引用を行なわなければ、あなたがこの地味な本を手にとってくれることもない、と思ってもいるんです。

富山でパブ喫茶を開いていた「私」はやがて経営に失敗し、破産状態へ。赤ん坊にやるミルク代にも窮して働き口をさがし、ありついたのが「納棺夫」という仕事でした。

今朝、立山に雪が来た。
全身に殺気にも似た冷気が走る。今日から、湯灌・納棺の仕事を始めることにした。
言い出して、ニ、三日逡巡していたが広言した手前もある。思い切って実行した。
湯灌といっても死者を湯あみさせるわけでなく、死体をアルコールで拭き、仏衣と称する白衣を着せ、髪や顔を整え、手を組んで数珠を持たせ、納棺するまでの一連の作業である。


これが書き出しです。彼はそういう仕事を始めたんです。

しかし、彼の叔父がやって来て、辞めてくれ、というのです。そういう賤しい仕事は辞めてくれということです。
妻は彼の仕事を穢らわしいといいます。
迷いながら彼はとりあえず仕事を続けていました。
そこで、はじめに引用した昔の恋人の家での体験があるのです。

その体験以来彼はすすんで仕事をするようになった。

……あの日からすべてが一変した。
あの悲しみと驚きの美しい目の奥に見た何かが、全てを解決してくれた。
人の心なんて、他愛ないものである。
人を恨み、社会を恨み、自分の不遇を恨み、すべてが他者の所為だと思っていた人間が、己をまるごと認めてくれるものがこの世にあると分かっただけで生きていける。

そして彼は

納棺夫に徹したのである。
すると、途端に周囲の見方が変わってきた。
昨日など、山麓の農家であったが、納棺を終えて勧められるままお茶を飲んでいると、お棺に納めた死者よりも歳を経た老婆が畳を這うように近づいてきて、
「先生様、私が死んだら先生様に来てもらうわけにはいかんもんでしょうか」
と、真剣な顔で言うのである。
先生様にも参ったが、こんな約束にも当惑する。納棺夫の指名予約である。しかし、悪い気はしなかった。
「ええ、いいですよ」と言うと、老婆はにっこりした。

こうして、彼は納棺夫の仕事を通じて見たこと、感じたことを綴っていくのです。
全3章のうち、第1章と第2章はまったくすばらしい。最後の章(宗教を扱っているんですね)が私にはどうにもいただけなくはあったのですが、前2章はそれを補ってあまりある見事さだといっておきましょう。もっとも、私が終章の死生観についていけないだけで、この章こそがよいという方もあるでしょう。著者もこの本に収録されている「『納棺夫日記』を著して」のなかで、ちょうどそのことに触れています。

そして、そうだなあ、この本は引用したいところがたくさんあるんですが、最後に「『納棺夫日記』を著して」からちょっとだけ。82歳の伯母さんが亡くなる前のエピソードから。

やがて衰弱がひどくなり、わけの分からないことを言ったりしていたが、見舞う度に「東京の自宅に帰りたい」とくり返すようになった。私は「分かりました。東京へ帰りましょう。明日の飛行機、手配しておきましょう」と言った。伯母は、にっこり笑っていた。翌日見舞うと付添いのおばさんが、夕べから本人は飛行機に乗っているつもりでいて、何度もあなたがどこにいるのか問うので、後ろの座席に座っておられます、と言ってあると耳打ちしてくれた。伯母は私に気づくと「どこへ行っていたのか」といつものように言った。私が「後ろの席にいましたよ」と言うと、伯母は安心したように微笑んだ。その顔は安らかだった。

どうぞ読んでみてください。おすすめします。









東京現代建築ほめ殺し

建築三酔人

新潮OH!文庫 657円+税
バブルの頃を境として、東京等の大都市を中心にとんがった=iあるいはブッ飛んだ)建築物が、ことさらランドマークのように目立つことが多くなりました。車で走っていると、たしかに目印にはなるんですが、「その形には何か意味かメッセージ性があるの?」と首をかしげたくなることもあります。そんな建物にケチをつける(?)勇気ある1冊です……。とはいえ、著者も、その方面ではそれなりに名の通った人なのか、それとも「名誉毀損」で訴えられるのを恐れてか、建築三酔人(歴史先生、都市紳士、豪傑の3人)などと称しているのは、やや興ざめではあるのですが。
しかし、ちょっと気になる外見のビルや、建築家をサクサクッと突き刺しているのは本当。例えば、357号線やレインボーブリッジの辺りを車で流していると目に入る「フジテレビ本社ビル」……いつ見ても「あれってまだつくりかけ?」って印象を持ってしまうのは私ひとりではなかったんだ! とか、江戸東京博物館(両国)ってずいぶんシンボリックな形だけど……はて、なんでこんなにトリッキーな形なの? とか、まるで居酒屋で建築業界のひとたちのなかにまぜて≠烽轤「、業界のタブーを肴に盛り上がるって感じで読める本。でもアサヒビールのオブジェのあるビルを「ウンコビル」とはひどいなあ(笑)。










フーコーの振り子

ウンベルト・エーコ 藤村昌昭 訳

文春文庫 上・下巻 各771円+税
一応このコーナーはオススメということになっていますが、この本はオススメしません……っていうか、私は途中で挫折してしまいました。難しいんですよ、これがまた。

著者はウンベルト・エーコ。あの「薔薇の名前」を書いたひと。もしこの「薔薇の名前」を知らない方は、本を読まなくてもよいですから(本屋のせりふとも思えんなあ)、映画化されているのでビデオで観てください。ショーン・コネリーが主役で、すごく面白い内容です。

「薔薇の名前」があれだけ面白いんだから、「フーコーの振り子」も面白いにちがいない! だって、文庫の帯には≪「薔薇の名前」から8年、エーコ最大の傑作長編待望の文庫化!≫ですよ。(まあ「薔薇の名前」だって私はビデオで観ただけで、原作は読んでいなかったんですけど)。

で、「フーコーの振り子」。読みはじめたら、これが難解で……。
本の読みかたはひとそれぞれですが、私の場合、読みながら頭のなかにビジョンが浮かぶタイプ。だから人物や情景の描写が細かい方が好きなんですが、たぶん、この本はキリスト教圏の方でないと、そのビジョンにリアルさ出来にくいのかなあ、と思います。読みすすめると、この壁を越えればスゴイぞ≠ニいう感覚は確実にあるのですが(これは読んでみるとわかります)、その壁が大きすぎる! とりあえず私は挫折しましたが、これは出版社と著者からの挑戦状ということにしときましょう。

……………………………………………………………
よこあいから
私も「フーコーの振り子」は読んでいませんが、「薔薇の名前」なら読みましたし、映画も観ました。しかし、映画を先に観てしまったのは失敗だったと思っています。おかげで小説をうまく味わうことができなかった。……だから、みなさん、ビデオを観るより先に小説をどうぞ。まじめな忠告です。
よこあいのひとから、でした。











盲導犬クイールの一生

写真 秋元良平  文 石黒謙吾

文藝春秋 1429円+税
生まれつき左わき腹に黒い模様のあるイエローのラブラドールが、水戸さんというご家庭で誕生しました。その模様はカモメがつばさをひろげた形にみえることから、ジョナサン(「カモメのジョナサン」ですね、もちろん)と名付けられました。他に4匹の兄弟がいましたが、ジョナサンだけは何をするにもマイペースな仔犬。そんな性格が買われて盲導犬の候補生に選ばれます。

盲導犬というのは一生に何度かの別れを経験しなければならないようです。
最初の別れは生後43日目でした。盲導犬訓練士の多和田さんの手を経て、パピーウォーカーの仁井さん夫妻に託されます。名前もこのとき「クイール」に変わります。鳥の羽根という意味です。

2度目の別れは、その約8ヶ月後。盲導犬総合訓練センターへ行き、本格的な訓練を受けることになります。担当の訓練士多和田さんと自身の努力の甲斐あって、クイールは見事立派な盲導犬となり、そしてパートナーの渡辺さんと出会います。

クイールと渡辺さんは深い絆で結ばれていきます。実は渡辺さんは大の犬嫌いだったのですが、のちに「盲導犬がこんなにすばらしいパートナーだとは思わなかったよ・・・」と話すほどになるのです。クイールは、渡辺さんが病に倒れ入院したときも、ベッドの近くまで入れてもらい、付き添い、見守ります。しかし、渡辺さんは他界してしまい、こうして3度目の別れとなります。

その後、引退するにはまだ若い年齢だったクイールは、盲導犬普及のデモンストレーション犬として再出発します。小学校やイベント会場で活躍していたそのクイールに、なんと(!)これまで会うことを許されていなかった育ての親(仁井さん)との再会が待っていました。そして仁井さん夫妻のもとへ約10年ぶりに帰ることになります。クイールにはおだやかな老後が待っているはずでした。ところが、4度目に永遠の別れが・・・

クイールは幸せだったと思います。犬の幸せって何? と聞かれると返答に困りますが、こんなにも人と犬とが深い愛情で結ばれるとは・・・。4度の別れを経験したクイールに関わった人々の温かい思いが描かれています。加えて、この本の約半分を占めているたくさんの写真。クイール達が生まれた瞬間からその死までを撮りつつ゛けています。まるでクイールのアルバムを見ているようです。まさに「クイールの一生」です。クイールが生きた証を、クイールというすばらしい犬が存在したことをみなさんにもぜひ知っていただきたいと思います。














できる新入社員になる

寺松輝彦

 ダイヤモンド社 1300円+税
『当たり前のことを当たり前にやる。これがなかなかむずかしい。もしかしたら、当たり前のことを教わる機会がないまま社会に出てしまったかもしれない。』

新入社員の皆様、新社会人となり会社に就職して色々な面で苦労をされている方が多いと思います。この本は、就職して間もない社会人を対象に、わかりやすく書かれていますから、そんな方にもきっとマスターできると思います。

@ 社会人になるということ  ・朝は自分で起きる(他7項目)
A あいさつができないことは恥ずかしい  ・人間の基本(他4項目)
B ビジネス意識があなたを成長させる  ・あなたの給料を払うのはだれ?(他6項目)
C まず組織とは何かを学べ  ・命令と指示(他6項目)
D コミュニケ−ションの鉄則  ・「はい」で伝える3つのこと(他6項目)
E 仕事は報告で終わる  ・終わったと思っているのはあなただけ(他5項目)
F 時間とコストに敏感になれ  ・「いつでもいい」はいつまで?(他5項目)
G 上司に鍛えられる社員になれ  ・上司は選べないが、関係は選べる(他7項目)
H 能力と人柄は話し方にあらわれる  ・電話のあなたは全社員代表(他6項目)
I 職場では群れもせず孤立もせず  ・職場で異性とどうつきあうか(他6項目)
J 礼儀とマナーの達人をめざせ  ・お酒に誘われたら(他5項目)
K 自分で考える人だけが成功する  ・新聞と本を読め(他6項目)
L 生きる姿勢が人生を決める  ・感謝の心を(他2項目)



イチロー・インタビュー
Attack the Pinnacle!

小松成美

新潮社 1200円+税
メジャーリーグが開幕して1ヶ月が過ぎ、やっぱりイチローはスゴかった! バッティングはもちろん、あの肩はやはりメジャーのなかでも超一流の肩だった。あのコントロールは本当にスゴイ。守備力だけでも超一流といってもまちがいない。なんたって「レーザー・ビーム!」ですから。そんなイチローが、シアトルへの入団決定後、開幕までの間にインタビューにこたえたのがこの1冊です。中身は本当にすごい。イチローがこんな心境で、こんな状態でいままでの記録を打ち立ててきたんだと、はじめて知らされることばかりです。弓子夫人へのインタビューもあり(結婚のことも)、新しいことがずいぶん明かされています。
イチロー・マニアにとっては必見の本です。さあ、この本を読んで今日もテレビの前で応援しよう!!

※ 新庄(メッツ)選手の本も発売されました。
   「ドリーミング・ベイビー」(光文社)
   成績が落ちてきたけれど、もっと頑張れ!









うさぎのき・も・ち
ハムスターのき・も・ち
子犬のき・も・ち


写真 森田米雄

どうぶつ社 「うさぎ〜」・「ハムスター〜」 1200円+税
                「子犬〜」 1000円+税
いつもかわいがってくれてありがとね。
ぼくらはみんな、みなさんのいうことをよく聞く(?)のに、
どうしてみなさんは
ぼくらのことをわかってくれないの?
ことばはしゃべれないけど
いっしょうけんめい 気持ちを伝えているよ。
だから この本を読んで 勉強してね!

ペット代表 うさぎ
       ハムスター
       子犬 より

P.S. これからもよろしくね












谷村新司のふらり流
〜粋づくし「旅」手引き


谷村新司

メディアファクトリー  1400円+税
昨日、今日、あ〜すぅ、変わりゆくわぁ〜たし♪
…と「三都物語」を熱唱し、JRのCMにも登場なさっている谷村新司さん初の、「旅行ガイド本」です。
もともと旅のお好きな谷村さんが、実際に現地を訪れた際に印象の強かったスポットを厳選して紹介。国内のみならず、海外まで掲載する辺り氏の「旅行好き」がどれ程の物なのかが伝わってくる一冊です。

  今回のオススメ度 ★★★☆☆(「旅行とは予定を立てず、ふらリと行くと、意外な出来事があって面白い」とは谷村さんのお言葉。貴方も「ふらリ流」、やってみませんか?)







娘が教える65歳からの
手取り足取りパソコン入門

高橋浩子

明日香出版  1500円+税
◎先月の事です。齢70を越す、浅草の叔父から久しぶりに連絡を貰いました。
叔父:「おまえ、パソコン出来たよな?」
わし:「ええ…、大した事は出来ませんケド」

叔父:「悪いンだけどさぁ、俺に教えてくれよ!」

わし:「…。」

 
  ええ、その後は大変でしたとも!       
PCの購入から始まって、セッティングから、ソフトのインストール、プロバイダと契約してインターネット・電子メールの設定まで。
果てにはWinndowsのアップグレードをも!!休みごとに出掛ける事3週間。お陰で我が叔父は、快適なPCライフを満喫しているそうな。
   なんでこの本、もっと早く出てくれなかったの!?  
  そう言う心境ですね…。

今回のオススメ度 ★★★☆☆(お年寄りには親切な、大きい文字での解説。見やすいのは合格ですが、二色印刷だからやや判り辛いかも。)











いちばんやさしい
次代ケータイの本

金子直樹

東洋経済新報社 1400円+税
◎巷では、Iモードがシェアの大半を占め、NTTの一人勝ち的な感のある携帯電話業界。コンピューター程ではないものの、各社が次々と新製品を発表して、顧客の獲得に凌ぎを削っています。
ところで、
【フォーマ】って言う機種名は聞いた事がありますか?
近々NTTが23区内限定で運用試験を始める、次世代携帯電話の名称なんですが、動画の送信・再生やら、今以上にクオリティの高い音楽の再生も可能と言う、モバイルも真っ青の新型です。
本書は、
来るべき次世代携帯の本格運用に向けて、どのようなメリットを持ち、どのような運用・活用が出来るのか?
また、業界として、将来どのような発展を遂げるのか等、
現在発表されているデータを元に紹介しています。
  今回のオススメ度 ★★★☆☆(モニター運用試験が23区内限定の為、全国へ普及するにはもう少し掛かりそう。都内在住の店長は、「店に出勤したら使えないじゃん」とのたまっておりました。ごもっともで…。)












第10回 手に職

就職活動のシーズンがまたやってきました。

 景気が悪いせいかなかなか思うような就職が出来ないようです。そういったときに資格をもっているとかなり優位に就職活動が出来るという話を聞きます。

 また幼稚園や小学校低学年にアンケートをしたところ、なりたい職業の第1位に大工さんが挙がっていたのを以前TVのニュースで観たことがあります。これからの時代は手に職を持っていたほうがいいようです。

 今回は手に職を持った主人公が活躍する作品を紹介します。テーマがテーマだけに地味な作品が多いですが、いいものがたくさんあります。今回紹介するもの以外にも、『親方』『オーダーメイド』『英次のテーラー』などありますので気になった方は是非ドウゾ!




ナッちゃん

たなかじゅん

集英社 3巻まで 各505円+税
 最近はガテン系の仕事に女性が多く就いていると聞きます。この『ナッちゃん』もそんな女の子を描いた作品。

 工作所を営む父親の影響で、ちいさな頃からモノ作りが好きだった主人公ナツコ。OLとして就職するも仕事はお茶汲み、コピーだけというダメOL扱い。そんな彼女が父親の死をきっかけに工作所の後を継ぎ、仕事をこなしていきます。

 そこは創造と人情味の溢れる世界で、彼女の才能がはじめて花開いていきます。舞台が町工場などの中小零細企業なので、お金や時間がかけられない。大手の工作所が匙を投げる。そんな時彼女のインスピレーションが最良の解決へと導いていく。

 この工夫発想が結構面白い!やはりどんな仕事にも発想力が大事ですね。もしこの作品に興味がある方は一緒に『親方』(集英社)も読んでみてください。ハマりますよ!




築地魚河岸三代目

はしもとみつお

小学館 2巻まで 各505円+税
 銀行員だった主人公が結婚して、お嫁さんの実家の家業を継ぐことになりました。その仕事は築地魚河岸の有名な卸問屋

 魚について全くのドシロウトの彼ですが、1つだけ人より優れた才能がありました。それは味覚。一度食べたことのあるものはその舌が記憶していて、先輩たちの度肝を抜いていきます。けどそれ以外はまだまだ。立派な三代目になれる日はいつになることやら・・・

 この作品の著者はしもと先生は人情味溢れる作品を描かせたらピカイチのマンガ家さん

 自分はTVドラマにもなった『ステイション』ではじめて知ったのですが、それ以降『水古風』『希望の椅子』などの名作にしびれ続けています。

 皆さんもしびれてみませんか?





世界一さお師な男
伊達千蔵

高橋ゆたか

集英社 1巻まで 505円+税
 最後はチョット変わった手に職

 さお師とはジゴロとかホストみたいな、お金をもらって女性を喜ばす仕事です。ただこの主人公の伊達千蔵はそれだけでなく、疲れた女性の心を癒していく力を持っています。

 チョットエッチな作品ですが、女性の方に読んでみて欲しい作品です。絵柄が綺麗な作家さんですし、テーマはともかくストーリーや設定がしっかりしているので、そんなに抵抗感なく読んでもらえると思います。

 ちなみにこの作家さんははるか昔週刊少年ジャンプで『ボンボン坂高校演劇部』という作品を描いていました。知っている人が何人いるでしょうか・・・

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