
| 2001年2月 | |
| 魔羅の肖像(松沢呉一) | デミアン(ヘルマン・ヘッセ) |
| 神々の山嶺(夢枕獏) | 占い師はお昼寝中(倉知淳) |
| おかあさんとあたし。(k.m.p.) | レベルアップBASEBALL 巨人軍からのメッセージ |
| 動物病院ガイドブック(関東・首都圏版) | いざというときお金はいくら必要か(PHP研究所 編) |
| CD付き 英語で歌おう ビートルズ編 | 図解 ホームページのしくみ(ユニゾン) |
| 超私的まんが道 | |
| 藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版 (藤子・F・不二雄) |
GOGOモンスター(松本大洋) |
| 熱帯のシトロン(松本次郎) | . |
| ……いい車、悪い車があるか否かとの討論において、問題とすべきは、加速、燃費、丈夫さ、使いやすさ、足回りといった客観的事実である。「いい車・悪い車」が存在しているとしても、最終的にどんな車を選択しようが趣味の問題として文句はつけられまい。しかし、私が問題にしているのは、趣味や好み以前に、客観的機能として、いい車、悪い車があるのかどうかだ。そして、この判断ができるのは、乗ったことがあるのは1種か2種、しかも、いい悪いなど判断できやしない欠陥車、故障車であるような人物よりも、様々な車に乗った体験のある人、メカに強くて冷静な判断ができる人、あるいは実際に乗ったことがなくても様々なデータを持っている人といった類いの人だろう。 これらを検討した上で初めて、趣味の判断へと入る。いくら速く走っても燃費の悪いのはイヤだという人がいれば、一方には機能ではなく、見た目のよさに尽きるという人もいる。そういった要素をすべて無視して、車は走ればいいというのもいよう。それぞれの勝手だ。勝手だが、「車なんて走ればいいんだから、燃費のいい悪いなんて存在しない。それは車マニアの錯覚だ」と、自分の体験不足、知識不足、分析不足を棚に上げて、自己の趣味を一般論にすり替えるべきではない。 |
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松沢呉一 新潮OH!文庫 771円+税 |
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| さて、みなさん、どうです。上の引用をお読みくださいましたか? これですよ、これ! 私が先月の「ハイ・フィデリティ」でいいたかったことは! 「作品のよしあし≠ニ受け手それぞれの好み≠ごっちゃにされたりすると、とっても頭に来ますしね」。そうです。作品によしあし≠ヘあるんです。だから、なにかっていうと趣味の問題≠ネんてこたえようとしているあなたはもっと謙虚になった方が身のためですよ。ほんとにくだらない作品に「こんなにすばらしい本をいままで読んだことがない!」なんていうひとがいますけどね、あんた、これまでいったいなにを読んできたんだよ、といいたくなるわけです。好みってものはしようがないですけど、それとはまったく別のところに作品のよしあし≠フ基準があるんですよ。そのことをわきまえてしゃべってほしいものだ。だから、この作品をオレはまったく好かないどころか大嫌いなんだけれども、非常に高いレヴェルのものであることは認めるぞ、っていうことはあるんです。また、ほんとにばかばかしい作品なんだけど、もう涙が止まらなくて止まらなくて……っていうことだってあるわけです。ああ、溜飲が下がった。よくぞいってくれました、松沢呉一さん。読みながら、おお、そうだ、そうなんだよ! と感動してしまったのでした。 で、その私が感動したいまの文章、私が「車」を「作品」におきかえてしゃべったように、「いい車・悪い車」についてのものではなく、「車」をたとえに実は「いいチンポ・悪いチンポ」を語っているのです、当然のことながら。これはチンポについての本なのですし、チンポを考えていくと、必然的にマンコも考察していくことになる、とまあそういうわけなのです。 うわ、なんちゅう下品な!ってことになりますか、みなさん? そう思ったひとは、はい、ここまでで読むのをやめていいです。 というわけで、残ったみなさんは、さあ、いきますよ。 @ この本の輝かしさ、すばらしさは、著者のあくまで誠実な姿勢にあります。著者松沢さんは自分の疑問を大切にしました。これまで誰も彼の抱いたような疑問をまともにとりあげていませんでした。性をあつかった科学書は数あれど、それらは松沢さんの疑問への回答になっていません。だから、松沢さんは孤軍奮闘して研究をやりとげようと思ったのです。ミニコミからスタート、商業雑誌に連載開始、1年で打ち切り、ふたたびミニコミ……そして単行本化。しかし、書けども書けども誰も松沢さんの意見に耳を傾けなかった。第18章で、彼はこんなふうにおちこんでいます。 今のところ私が確認しているところでは、この地球上で、仕事でもないのにこの連載を読んで理解してくれているのはライターの伏見憲明氏だけであり、たったひとりのために商業誌で連載するまでもないよなと思い始めていたちょうどその時、書き溜めた原稿を消失する不慮の事故があった。そのため、前回はすっかりやる気をなくしてしまい、伏見さんには大変悪いことをした。 こんなことなら、連載の続きは伏見さんに直接手紙で送ることにして……。 今回の文庫版あとがきでは、 もしあの当時、『魔羅の肖像』を面白がってくれる編集者や読者がもう少しいてくれたのなら、この本で提示したさまざまなテーマに新たに着手して、本書の続編を完成させることもできただろうし、そうなれば物書きとしての私の人生は、もうちょっと違ったものになっていただろうとの恨みはあるのだが、恨むべきは、他人に通じる原稿を書けない自分の無能さでしかない。 そうして、現在の仕事ぶりに触れたあとで、 このように、世間様の需要と一致しないところに興味を抱いて精魂込めて原稿を書いたところで、単行本にならないどころか、印刷もされずに消えていくのが当然の帰結である。唯一需要がある体験派風俗ライターとしての仕事をひたすらこなしつつ、「無駄なことを考えてはいけない、需要のないことを書こうとしてはいけない」と再度自分に言い聞かせている次第。 ああ、なんてことだ。では、続編はないのか? そこでね、さっきの「ハイ・フィデリティ」と並んで、また先月の「これがニーチェだ」を思い出してしまうんですね。 私はあそこでこう書いたんでした。≪誰も考えないようなことを考えるのは孤独じゃないでしょうか? しかも、説明しても誰もわかってくれないとしたら? わかってくれないどころか憤慨されたりしたら? 「おまえ、変わり者なんだよ」でかたづけられてしまうとしたら? さて、そこで、あなたは自分がまちがっているのだということにしてしまうでしょうか? 評価するためにはそのための基準が必要です。しかし、その基準をも実はあなた自身が生み出さなくてはならないものだとしたら?≫ みなさんにいっときたいんですが、この本での松沢さんの仕事のしかた、考えかた、情熱、表現のしかたなどはほんとうに誰にとっても模範となりうるようなものだと思います。たとえば、考えるっていうのはこういうふうでなくちゃいけない、というほどに。 A では、ここから松沢さんの戦いぶりを紹介していくとしますか。 「いいチンポ・悪いチンポ」を決定づけることによって、男性の短小恐怖をいよいよ加速させる結果になるかもしれないが、私は悩み相談の回答者でなく、真理を冷静に凝視する科学者であるので、一般庶民のチンポがどうなろうと知ったこっちゃない(この原稿は「科学者」の立場で書いたものである。科学者になるには、免許も資格も申請もいらないから誰が名乗ってもいいのだ。ライターや評論家と同じさね)。また、最終的には、事実を見つめない限り、本当の悩み解消になりはしないのだから、悩み解消としても私の論考は一助になろう。しばらくチンポやマンコの穴をかっぽじって聞いていただきたい。 性に関する多くの本が、女性にチンポの好みはない、だから、きみが短小だって気に病むことはない、と書いていることを松沢さんはおかしいんじゃないかと思う。そうして個々の本をとりあげ、様々な矛盾を指摘していきます。そのなかで、こんなまとめをやっています。 医者:君のようなのに限って膨張率がすごいと相場は決まっている。鈴木君、ちょっと来てくれたまえ。 (ムチムチの看護婦鈴木がやってきて、患者のチンポをしごく。すぐに勃起する) 鈴木:先生、勃起率は2倍もあります。でも、元が元だから勃起しても小さいですよ。 医者:チンポは長さじゃないのだよ。硬さこそ命だ。 鈴木:でもこの患者さんのはフニャフニャですよ。 医者:うーむ……。 患者:先生、黙らないでください。 医者:すまん、すまん。硬さが命だと言ったのはウソだ。そんなものはなんの意味もない。君のは8センチもあるじゃないか。我々医者の間では、これだけあれば短小とは言わないのだ。 患者:言わないけど、小さいことに変わりないですよね。 医者:その通り。しかし、8センチもあれば、十分妊娠させられる。 鈴木:先生、お言葉ですが、それは違います。この患者さんは、妊娠させられないことを悩んでいるんじゃありません。チンポが小さいことを悩んでいるんです。ガンの患者さんに、余命いくばくもないが、それでも子どもは作れる≠ネどと慰めて納得するでしょうか。 ……………… 医者:小さくたって、態位でフォローできる。正常位だと、どうしても抜けやすくなるから、バックでやるとよろしい。 患者:バックでやっている時に小さい≠チて言われました。 医者:ええ、忌ま忌ましい、そんな愛のない女と付き合うお前が悪い。愛さえあれば、女はそんなものを気にしないのだ。 患者:愛はありました。愛しているけど、チンポが小さい≠チて言われたんです。 (看護婦鈴木、遠くを見る目をして呟く) 鈴木:愛で乗り越えられるものと、乗り越えられないものがあるのよ。それに、いいチンポだと、愛がなくても楽しめるのよねえ。 いまの引用(ほんとはもっと長いんですが)で、多くの本ではどういうことが書かれていて、対する松沢さんがどう考えているかが読みとれると思います。 しかし、松沢さんは「大きいチンポ(善)」「小さいチンポ(悪)」と考えているんじゃありません。≪「デカチンがいいチンポ」などとの結論を求めてチンポを調べているのではなく「いいチンポ・悪いチンポ」があるかないかを探し求めて幾千里≫なのです。この真理を求める松沢さんにとって、≪短小フェニャマラ持続力ゼロ≫のチンポの男性を慰めるという立場は邪魔なものでしかないのです。「世の中にはこれで悩んでいるひとがたくさんいるんだから、そんなこというもんじゃない」なんて理屈のために真理に目をつぶったりはしません。それに、もし悩んでいるひとがいるのなら、まず事実を直視するところからはじめなくてはどうしようもない、と考えているわけです。そして、そういうひとのために実際に解決法も提示しています。 松沢さんはそうして、 当初は、徹底してチンポにこだわる予定だったのだが、チンポとマンコはふたつでひとつのようなところがあり、話を進めるうちに両者を別々に語るわけにはいかないことが明確になってきてしまった。 ま、こんな調子で紹介していくときりがなくなってしまうので、もっと読みたくてしようがなくなったひとは走って買いに来てください。 B もっと大事な部分を紹介しなくちゃ。といっても、この本どこも大事なんですけど。 再びあとがきからの引用になりますが、 『魔羅の肖像』を読んでいない人達がやっているから当然なのだが、今もこの本で提示したことが何ら反映されず、恋愛至上主義・クリトリス至上主義、快楽の裏付けのない態位の紹介、男に依存するだけのオーガズム論などで構成されるセックス特集が雑誌で氾濫している様にはしばしば呆れる。いくら一所懸命に異論を唱えたところで、この世の中は何も変わりはしないものだ。 第5章で松沢さんはある女性雑誌のブライダル特集の編集者に手紙を書いています。 さて、あなたが書いた「彼とのセックス、結婚したらどうなるの?」という記事ですが、悩み相談の回答はいいとしましょう。でも「好きなら相性なんてない」なんつうのはウソです。これについては3名の先生方が正しい(この悩み相談は、3人の医者や心理学者が回答していて、彼らは「セックスに相性はある」としているにもかかわらず、編集部は「好きなら相性なんてない」との結論を書いている。なんのための回答者か)。いくら好きだって、よくないものはよくない。そして、よくないことは断固解消すべきです。長い人生ですから。 しかし、ここはたいした問題ではありません。問題はこの次です。こういう企画(「男はこんな女が嫌い」といったもの)って大嫌いなんですよ。男性誌でも「女はこんな男を求めている」といったような特集がありますが、こういう発想って人間をつまらなくする。ここに出ている男の意見そのものをすべて否定したいし、こんなものを読んで納得するような女も否定したい。ここに出ている男の意見は、編集部の「つくりもの」なのかもしれないが、こんなヤツらまとめて全否定してやる。 さらに手紙はつづきますが、もっとあとの方では、 ……とまあ、こういうことです。そして、この特集全体が、男が望むかわいい女という像を自分にあてはめ、そのために自己を喪失しようが、自分のやりたいことを捨てようが、それこそが女の幸せだと主張している。ああ、気持ち悪い。 そうして、 僕が女性が性に積極的であることを肯定的に言うのは、積極的になりたくない人にとっては押し付けでしかないのですが、何故あえてそれを強調するのかといえば、今現在、今回の「カルディエ」の記事に見られるように、女性の生き方がものすごく狭いところに押しとどめられ、性に積極的であることを否定し、男社会をあくまで堅持する空気が強いからです。結婚することこそ女の幸せと信じる人がいてもよく、男の浮気は認めても、自分は貞操を守るという考えを持っていてもいいんですよ。ただし、その一方で、結婚しないことに価値を見出し、セックスを積極的に楽しみたいという考え方もあってよく、…… 20代後半から昨年まで、ほとんどセックスレスで過ごした僕があえてこの時期に無謀とも言えるセックス讃歌を何故打ち出したかといえば、恐らくこの国では、反動的な動きが今後強まるであろうとの予感がしたためです。日本にだって、常に性を規制し、性を悪であるとしたい人々はたくさんいるんですよ。 手紙の最後は、 仕事だから、こういう原稿を書くのも仕方がないところですし、僕だって、何かと問題のある原稿を書きなぐってしまいますが、お互いできるだけそういうことはやめるようにしたいものです。ちょいと書きすぎた点もあるかもしれませんが、今回書いたことについて反論があればお寄せ下さい。 そして、松沢さん、ぼやきます。 こーんな丁寧な手紙を出したのに、その後、なんの返事もなくて寂しい。ここまでボロクソに貶されたら返事出す気がなくなるだろうけど。こうやって読者をひとりまたひとりと減らしていくわけですね。 . 松沢さん、孤独です。 しかし、どうでしょう? ここまではっきりとした主張っていうのはほんと気持ちがいいものじゃないでしょうか? というわけで、 この本おすすめします! もし「読みたい!」と思ったなら、読まなきゃ損です。タイトルにすくんでいる場合じゃありません。 |
| 彼女は、星に恋した若者の話をした。若者は海べに立って両手をのばして、星をあがめ、その夢を見、心の思いを星にむけた。しかし、星を抱擁することは人間にはできないということを彼は知っていた、あるいは知っていると思った。……ある時、彼はまた海べの高い絶壁の上に立って、星を見つめ、星に対する愛に燃えた。そして、あこがれのきわまった瞬間に身をおどらして、星をめざし虚空に飛びこんだ。しかし飛ぶ瞬間に電光のように彼は、やっぱりだめだ! と考えた。彼は海岸に横たわり、打ち砕かれていた。彼は愛することを解しなかったのだ。飛ぶ瞬間に、実現をかたくしっかりと信じる精神力を持っていたら、彼は上の方に飛び、星と結びついただろう。 | |
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ヘッセ 高橋健二 訳 新潮文庫 400円+税 |
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| ヘルマン・ヘッセというと、たとえば「車輪の下」なんていう作品を思い浮かべますよね。無理して受験勉強をし、試験に受かりはしたけれど、学校ではだんだんに落ちこぼれていくあわれな少年。で、少年に必要なものは勉強だったのか、なんてね。そうして、背景には豊かな自然がひろがって……。 ところが、ヘッセがそういう叙情的な作品を書いていたのは主として彼の作家生活の前期にすぎません。ちょっと極端ないいかたですけど。 あるときから彼の作風はがらりと変わります。これを知っているひとは意外に少ない。 その変わりめの作品、転機の作品がこの「デミアン」なんです。 前期の作品にばかり親しんできたひとはきっとびっくりする。 「デミアン」以降、ヘッセは「シッダールタ」や「荒野のおおかみ」──あの「ワイルドで行こう」(Born to be wild)の、あのバンドの名前はこの作品から来ています──、「知と愛(ナルチスとゴルトムント)」「ガラス玉演戯」と進んでいくことになります。(「ガラス玉演戯」は新潮文庫では絶版。でも、新潮世界文学には収録されているんじゃなかったっけ)。 デミアンというのは、この作品の語り手シンクレールの友人の名。どうもデーモンということばに関係しているらしい名前です。 ヘッセの作品におなじみの「ラテン語学校」、そこに通う10歳の少年シンクレールは、ふとしたことから町の不良少年にゆすられてしまいます。金をいくらもってこい、からはじまり、これじゃ足りない、次はいくらもってこい、今度はおまえの姉さんを連れて来いとか、ゆすりはどんどんエスカレートしていきます。そして、弱みをもつシンクレールはこれを誰にも話すことができません。少年はもう家族の「明るい世界」に戻ることができないと思う。すでに自分は「暗い世界」、罪とか汚れなんかに汚染されてしまった。もうそっちの世界を見てしまった……。もう無邪気でいることはできない。 そこに登場し、彼を救出するのが謎めいた少年マックス・デミアンだというわけです。 この出来事以来、成長していくシンクレールの導き手として常にデミアンの姿がある。小説は青年となったシンクレールが第一次大戦に従軍し、負傷するあたりまでを描いています。 しかし、これだけじゃヘッセの作風ががらりと変わったということがわからないでしょうから、いくつか引用してみましょう。 シンクレールがゆすられて泥沼にはまっていた頃、学校で旧約聖書中の「カインとアベル」の講話がありました。これは弟アベルを殺した兄カインが神に罰せられ、彼の額には「しるし」がつけられ、彼の子孫もみなその「しるし」をもっていた、という話なんですが、一般的には「カイン=悪」という語られかたをするんです。カインは、だから、シンクレールの考えていた「暗い世界」の住人ということになります。「明るい世界」から追い払われた人間。そこでデミアンがなんというか。 「そうだ、ぼくはつまりこう思うのさ」と彼は話をつづけた。「カインの話にはまったく別な解釈をすることもできるんだ。ぼくたちが教わるたいていのことは、たしかにほんとで正しい。だが、どんなことでも先生とは違った見方をすることができる。しかも、そうすると、すべてのことがたいていずっとまさった意味を持つようになる。」 どうです? 先生とは違った見方をすることで、すべてのことがずっとまさった意味を持つようになる、ですよ。 そうして、 「……そして話のきっかけになったものはあのしるしさ。ある人があって、ほかの人に恐れをいだかすようなものを顔にそなえていた。人々は彼に触れることをあえてしなかった。彼は、そして彼の子どもたちは、人々に畏敬の念を起こさした。だが、たぶん、いやたしかに、実際は郵便スタンプみたいなしるしが額の上ににあったわけじゃない。そんなにひどいことはめったにない。むしろ、人々が見慣れているよりはいくらかよけいに才知と大胆さが目つきの中に現われているといったふうに、ほとんど目につかない、なにか気味わるいものがあったのだ。この男が力を持っていて、人々に恐れられていた。そこで、彼はしるしを持っているということになった。……勇気と特色を持っている人々はほかの人々にとってすこぶる無気味なものだ。恐れを知らぬ無気味なものの一族がそこらをうろついているのは、非常にぐあいが悪い。そこで人々は、その一族に対し復讐し、受けた恐怖に対し少しばかり埋め合せをするため、あだ名と作り話を一族にくっつけたのさ、わかるかい?」 なんのことかわかりませんか? 「しるし」に関しては、そうだな、「風と木の詩」(竹宮恵子)の冒頭、ふたりの少年が出会う場面で一方が他方を見たとたん、「ぼくと同じしるしをもっている」とか、たしかそういうことを直感しますよね。あれはこの「デミアン」から来ていると思いますね。 上のカインの話は、世のなかで善とされていること・悪とされていることの転倒があるわけです。そして、ゆすりの泥沼にいた少年がその話に魅力を感じる。世のなかのある真実を見抜いたかのように感じるんです。これまで善とされていたものが薄っぺらに見えてくる。負のしるしが逆転し、なにか大きな力のように思われてくる。 ……私自身がカインで、しるしを持っていて、このしるしは恥ではない、表彰なのだ、自分の悪行と不幸とによって父や善良な人たちや信心深い人たちより高いところに立っているのだ、と思ったのだった。 これじゃ、まだ足りませんか? では、聖書の逸話がらみでもうひとつどうでしょう? ええと、キリストが十字架に懸けられたとき、彼をはさんだ格好で、ふたりの罪人もいっしょだったのでした。そのひとりが悔い改めてキリストに「ついていきます」なんてことをいう話があります。それをデミアンがなんというか? 「三つの十字架が丘の上に並んで立っているところはすばらしいが、そのひとりの愚直な罪人についての感傷的な宗教宣伝用物語ときちゃ! はじめ彼は犯罪人で、悪事を働いた。どんなことをやったか一々わからないがね。その男が弱気になって、悔い改めの、哀れっぽい儀式をした! 墓場の二歩手前でそんな悔悟をしたところで、どんな意味があるものかねえ? こいつも催涙の感傷性と極度に教訓的な背景をもった、甘ったるい作りものの、正真正銘の坊主の物語さ。もしきみが今日ふたりの罪人のうち、ひとりを友だちに選ばなくてはならないとしたら、あるいはふたりのうちのどちらを信用することができるかを考えねばならないとしたら、この哀れっぽい改宗者のほうじゃないことはたしかだ。いや、もひとりのほうだ。そいつはいっぱし男で、性根を持っている。彼は改宗なんか歯牙にもかけない。改宗は彼の身の上になってみれば、体裁のいいお題目にすぎないんだ。彼は彼の道を最後まで歩み、最後の瞬間になって、卑怯にも、それまで彼を助けてきた悪魔と手を切ったりなんかしない。彼は性根のあるやつだが、性根のある人間どもは、聖書の物語の中ではとかく損をしがちだ。たぶん彼もカインの子孫なんだろう。きみはそうは思わないか」 このあと、デミアンはこの小説の核となる考えを口にします。そこまで引用しちゃいますが、 「旧約と新約の、この神全体は、なるほどりっぱなものであるけれど、……。しかし、世界はほかのものからも成り立っている。そして、それはすべてむぞうさに悪魔のものに帰せられている。世界のこの部分全体、この半分全体が、ごまかされ、黙殺されている。……だが、この人工的に引き離された、公認された半分だけでなく、全世界を、いっさいをあがめ重んじるべきだ、とぼくは思うんだ。そこでつまり、神の礼拝とならんで悪魔の礼拝を行なわねばならない。それが正しいだろうと思うんだ。あるいはまた、悪魔をも包含している神を創造しなければならないだろう。それに対して人は目を閉じてはならない。この世の最も自然なことが起きるのだとすれば」 シンクレールも自分の以前から抱いていた疑問を彼に打ち明けます。そうすると、デミアンはこういうのです。 「きみは人に言いうる以上に考えているよ。さて、そうだとすると、きみはきみの考えたとおりに生きてこなかったことがわかる。それはよくない。生活されるような思索だけが価値を持つのだ。きみの『許された世界』は世界の半分にすぎないということを、きみは知った。きみは、牧師さんや先生がやるように、第二の半分をごまかそうと試みた。そうはいかないだろう! いやしくも思索を始めた以上、それはうまくいきはしない」 (余談ですが、どうです、こうしてみると、松沢さんの姿勢と共通しているじゃありませんか) こうして、シンクレールは自分の道を歩きはじめていくのです。 謎めいたことばがたくさん出てきます。 われわれの内部に、すべてを知り、すべてを欲し、すべてをわれわれよりよくなすものがいる、ということを知るのはきわめてよいことだ。 鳥は卵の中からぬけ出ようと戦う。卵は世界だ。生まれようと欲するものは、一つの世界を破壊しなければならない。鳥は神に向かって飛ぶ。神の名はアプラクサスという。 きみはまちがった道を歩んだ。まちがった道をだよ! ぼくたちは、きみの考えるように、豚じゃない。ぼくたちは人間だ。ぼくたちは神々を作り、それと戦うのだ。神々はぼくたちを祝福する。 各人にそれぞれ一つの役目が存在するが、だれにとっても、自分で選んだり書き改めたり任意に管理してよいような役目は存在しない。 各人にとってのほんとの天職は、自分自身に達するというただ一事あるのみだった。詩人として、あるいは気ちがいとして終ろうと、予言者として、あるいは犯罪者として終ろうと──それは肝要事ではなかった。 私はさんざん孤独を味わってきた。いま、私はもっと深い孤独のあることを、そしてそれはのがれられないものであることを、ほのかに感じた。 ……などなど。 この小説のエピグラフは次のとおり。 私は、自分の中からひとりでに出てこようとしたところのものを生きてみようと欲したにすぎない。なぜそれがそんなに困難だったのか。 訳はいささか古めかしいですが、それは新潮社の課題でもありますね。訳者は故人、そして大昔、中学生だった私は彼にサインをしてもらったことがある。新潮文庫の「車輪の下」に。ああ懐かしい。 それと、これ、読んで自分にぴったりくるひととこないひとがはっきり分かれる作品だろうとは思います。ぴったりきたひとはヘッセのこれ以降の作品も追いかけてくださいな。で、そのひとは「ツァラトゥストラはこう言った」(ニーチェ)なんかも読むとおもしろいかもしれません(おもしろいかもしれないんだけど、でも、傷つくんだよな)。「デミアン」のいたるところにニーチェあり、です。 |
| 人は、生きてゆかねばならない。この自分も、あと何年か何十年かは知らないが、生きてゆかねばならないのだ。 どうでもいい時間であろうが、どうでもよくない時間であろうが、死ぬまでのその時間は生きてゆかねばならない。 どうせ、生きてゆく。 生きてゆくそのことはわかっている。 そのことがわかっているのなら、死ぬまでのその時間は、何かで埋めなければならない。どうせ、何かでは、埋めることになる。 それがわかっているのなら── どうせその時間を埋めるのなら、たどりつけないかもしれない納得、何だかはわからないがあるかもしれない答え、踏めないかもしれない頂(ピーク)に向かって足を踏み出してゆくこと、そのようなもので埋めるのが、自分のやり方だろう。 蒼い天の虚空に吹きさらしになっている、点── この地上にただひとつしかない場所。 地の頂。 そこにこだわりたい。 どこの酒場で飲んだくれようと、酔いどれてどこの路地裏で眠ろうと、心の中に、その白い頂を抱えているべきであろう。 それに関わりたい。 心がうまく、まとまらない。 |
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夢枕 獏 集英社文庫 上巻724円・下巻800円+税 |
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| 実はこの本、集英社のTさんにすすめられて読みました。Tさん、おもしろかったです。 主人公の名前は深町、職業はカメラマン。煮え切らない日常を過ごしていた男でしたが、メンバー全員が40歳以上(もちろん深町だってりっぱな中年)というチームでエヴェレスト──ネパール名=サガルマータ、チベット名=チョモランマ──への登頂を目指すことになります。ところが、事故のため登頂は断念。仲間たちは帰国。そして──麓の街カトマンドゥにひとり残った深町が1台のカメラを発見し──物語が始まります。 そのカメラはベストポケット・オートグラフィック・コダック・スペシャル 「なぜエヴェレストに登るのか?」との問いに「そこにそれ(山)があるから」と答えたあのジョージ・マロリーが1924年にエヴェレストアタックの際に携行していたモノです。エヴェレスト登攀史の中で語られるひとつの疑問、 「マロリーとアーヴィン(パートナーだった)はエヴェレストの頂きを踏んだのではないか?」 「エヴェレストを最初に征服したのはマロリーではないか?」 その謎を解くことができるかもしれないカメラ(あなたがもしカメラを持ってエヴェレストの頂きに立ったなら、記念撮影ぐらいするでしょ?)。それを主人公は(ややあやしげな)登山用具店で手に入れた。 これで登山史が塗りかえられるかもしれない。そうはならないにしても、世界中の大きな話題になる。山をかじったカメラマンにとって、それは黄金以上の輝きをもつものでしたが、一度は手に入れたそのカメラ、すぐに盗まれてしまう。 そこで登場するのが、もうひとりの主人公ともいうべき伝説の山屋「ビガール・サン」こと「羽生」という男。 いったん帰国した深町は、入手しそこねたカメラをまた手にするために、羽生の素性を調べるようになり、羽生に、そして「羽生の山」に魅かれていきます。日本を離れた羽生がなぜカトマンドゥにいるのか、そして羽生の途方もない計画を知り、深町も突き動かされるようにストーリーは展開してゆく……といった物語。 序盤の鍵は、マロリーのカメラですが、中盤からは羽生が鍵になっていきます。視点は深町ですが、なかなか出番のない主人公といった感じ。(昔の漫画に「サスケ」というのがありましたが、あれも主人公はなかなか出てこなかったです。) 私がこの小説を読んだときは、ちょうど1月の大寒波が日本を覆っていた頃。山の寒さの臨場感にはもってこい≠ナした。以前紹介した「ホワイトアウト」(真保裕一 新潮社)と並べて「冬に読むならどっちが寒い?」と尋ねられたら、この「神々の山嶺」と私は答えます。 夢枕獏さんの(→どうでもよいことなのですが、私は学校の先生と、自分に物事を教えてくださる方、そして医者以外に先生≠ニ呼ぶのはどうも苦手です。作家に先生≠ニつけるのはなんだかヨイショしているようで違和感が……。ましてや政治家を先生などと呼ぶのは言語道断。苦手というより、イヤですね。虫酸が走ります……すいません長い意見で)……夢枕獏さんの作品は、これまで「涅槃の王」(祥伝社)しか読んだことがなかったのですが、今回「神々の山嶺」を読んで確信しました。夢枕獏の作風……それはズバリ「勢い」。そして、自分の頭に浮かぶイメージは、とにかくすべて文章に起こさないと気がすまない! 出て来た料理はすべて食う! そんな感じですね。 さて、この作品には核となるひとつのテーマがあります。最も強く表現されていた部分を冒頭の引用に使わせてもらいました。私もあと10年か20年すると同じような葛藤を抱くのでしょうか。 ※ あと書きも読んでみてください。私はカトマンドゥの街の描写、登山の描写と同じくらい、夢枕獏と編集者の話す「流行作家の椅子の数」が面白かったです。また、マロリーの死体は先日発見されています。ようやくにして! 興味のある方は、文藝春秋の「そして謎は残った」をオススメします。表紙の写真に目を奪われます(ちなみにカメラは発見されていません)。 ※ 最後に蛇足。もしカメラが発見されたらどうなるでしょう? だとしても、おそらく壊れているでしょうし、フィルムも感光してしまっているでしょう。そうでなくてもフィルムは粉々になっているはずです。なぜ? 熊に襲われて亡くなった星野道夫も、アラスカのオーロラ撮影ではフィルムの巻上げに注意したそうです。つまり、あまりの寒さのため、カメラの中で凍ったフィルムはちょっとした衝撃で割れてしまうからです。マロリーも転落しているでしょうから、衝撃ならちょっとしたなんてものではなかったでしょう。ということは、やはり謎は永遠のものとなるようです。 |
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倉知 淳 創元推理文庫 600円+税 |
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| 著者の倉知淳て「ポスト北村薫%I存在ですよ」とある方から教えていただいて読んだんですが、そもそも北村薫の本を読んだことがなかったりする。北村薫がたいへん売れる作家だということ、それに、どんなタイトルの作品があるかは認識している程度(一応本屋さんだからね)。それで、読み終わったことをそのひとに言ったら、「北村さんより結構軽いんですよね」とおっしゃられたので、今度は北村薫さんを読んでみようかなと思う。 タイトルは妖しげだが、一応£T偵モノである。でもって、犯人は「妖怪」だったりするのだが、別にオカルト系ではなく、探偵(占い師)のこじつけ≠ナ「妖怪」を言い当て、事件を解決する連作集。これだけだとなんだか京極系? とか思われてしまうかもしれないが(思わない思わない)、主人公はタイトル通り、とてもグータラな親父。いつも寝ているのだが、訪れる相談客の話を聞くと、適当な妖怪をこじつけて、結果的には♂決してしまうという詐欺師のような男。でも、占い≠オてもらったお客さんが納得すればあの手の商売はアリなんです。 起きる事件(というより相談事)も、あんまりキビシイものはないのですが(なんせ1冊に6編という連作なので、逆に考えれば、話はこれ以上ふくらませられまい、深入りもできまい、迷宮も築けまい……)、それでも「ホー、そういう解き方があるのね(感心)」→「第2作が早よ出んかなー」とちょっと期待した1冊。通勤電車で読むのにオススメ。 |
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k.m.p. (ムラマツエリコ・なかがわみどり) 大和書房 1200円+税 |
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| ねー おかーさん ねー おかーさ おかーさん、 おぉーかぁーあぁーさん? おかあさん、 ねえ おかぁさん、たら おかあさん。 こどものころ、なにかあっても、なにもなくても、だれもが大きな声や小さな声でよく言っていた「おかあさん」。いちにちじゅういつも一緒に後をくっついて。いちばんのあそび友だち(?)であり、なんでも教えてくれた「おかあさん」。 そんなこどものころの、なんてことのない一瞬を思い出してみませんか? 自分のアルバムを見るのと同じくらいいろんなことが浮かんできて、なんだかなつかしい気がして、やさしい気持ちになります。 年がいくつのひとにもおすすめしたいんですけど、 とくにページを開いてほしいのは、いま子育て現役のおかあさん。 どんな育児本よりも、おかあさんをわかってくれて、がんばる気持ちにさせてくれると思います。 私は30歳のいままでに何度「おかあさん」と言ったんだか。たぶん「おとうさん」って言った数の何倍にもなるだろうなあ。そう思うと、おとうさんというのはなんかさみしいもんだな。 ……………………………………………… ※みなさ〜ん、彼は娘が生まれてまだひと月しかたっていないのに、もうこんなこと言ってるんですよ〜(と、横から口をはさませてもらいました) |
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巨人軍からのメッセージ レベルアップBASEBALL リーガル出版 各3800円+税 |
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| 2/1キャンプイン! 今年も待ちに待った(?)野球シーズンが始まります。去年は巨人の優勝で幕を閉じ、今年も長嶋巨人を中心にペナントレースが進みそうですが、そんな日本一の巨人ナインやコーチが出演しているビデオがあります。 野球のトレーニングのビデオですが、同じビデオを見て学ぶなら、知ってる選手やコーチの方が身近に感じられて、真剣にトレーニングできるのでは? 本だとどうしても伝わらない腕の動きや足の運びなど、ビデオならばっちりわかります。 野球好きのひとは、学生から大人まで、みんなに知られずにトレーニングしてレギュラーをつかもう! 長嶋監督はすべてに出演しています。
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(関東・首都圏版) 廣済堂出版 1314円+税 |
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| 動物病院をお探しの方、今の病院はちょっと…と思ってらっしゃる方におすすめです。 それぞれの病院のポリシーやモットー、力を入れている診療分野などが1ページにまとめてあり、見やすいのが特長です。また院長先生や先生方の獣医師になった動機を知ることでも、動物に対する思いが伝わってきます。 以前、私はある動物病院で犬を診てもらっていました。先生もきさくで費用も安く、特に不満はなかったのですが、それでも気になる症状を専門的に診てもらえる病院を探したくてこの本を選びました。これだという病院がいくつか載っていて、私が実際に行ってみたのは1軒だけですが、この紙面から想像していた以上にいい先生に恵まれました。今の病院も以前同様、車か電車で行かなければならない場所にありますが、大切な家族の一員を安心して預けられる病院だと納得しています。 また、病院で診察を受けているときのペットは、飼い主が緊張しているのかどうか、それに、どのくらい獣医さんを信頼しているのかまでを感じとっているそうです。いざというときのため、頼れる獣医さんを選ぶひとつの方法としてこの本を読んでみてはいかがでしょう。きっと見つかると思います。 |
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PHP研究所 編 PHP研究所 1048円+税 |
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| いざというときお金はいくら必要かみなさんわかりますか? たぶん普通は冠婚葬祭の一部ぐらいしかまででしょう。この本はビジネス、資格から家庭生活、冠婚葬祭、スポーツ・レジャーまで、さまざまな状況でお金がいくら必要なのかかなり具体的に書かれています。PART1〜PART6全部で192の情報が載っています。また、紹介した情報に関して、関連ホームページアドレスも載っています。 PART1 ビジネス・資格編 イベントスペースを借りるには? シティホテルのビジネス施設を利用するには? 株式会社を設立するには? 有限会社を設立するには? 行政書士になるには? PART2 トラブル・医療編 弁護士を頼むには? 離婚のときの慰謝料は? 交通事故で相手にケガをさせたら? 深夜に家のドアを開けてもらうには? 投函した手紙を取り戻すには? 遭難救助にかかる費用は? 人間ドックに入るには? エイズ検査を受けるには? PART3 家庭生活編 ハウスクリーニングを頼むには? 水まわりが壊れたときの修理代は? マイホームの頭金はいくら必要? 粗大ゴミを引き取ってもらうには? 便利やさんを頼むには? 子どもの養育費・教育費はトータルでどのくらい? 老後の生活費はどのくらいかかるか? 在宅ケアの費用は? 有料老人ホームに入るには? 相続税はどのくらい? PART4 冠婚葬祭編 結婚にかかる総費用は? 結納金の相場は? 結婚指輪っていくらくらい? 新築祝いの相場は? 開店・開業のお祝いは? 葬儀はどのくらいかかる? お布施の相場は? お墓をつくるには? 法要の供物料の相場は? 火事見舞いは? PART5 趣味・スポーツ・レジャー編 車の免許をとるには? 東京ドームで野球をするには? プロ野球の年間指定席を購入するには? ホールインワンのご祝儀は? 東京の空をヘリで散歩するには? 語学留学をするには? パスポートを取得するには? チップの相場は? 人気ペットを買うには? ペットに避妊・去勢手術をするには? ペットを葬ってやるには? PART6 情報編 各種電話サービスの料金は? 迷惑電話を防止するには? 国際電子郵便の料金は? |
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ビートルズ編 アルク 2300円+税 |
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| ◎つい何日か前の深夜、TVを見ていたら、シャ乱Qのつんく氏が、ビートルズのコピーを演奏なさっていました。声質が似ているのか、余り違和感を感じずに聞いていられたのですが、難しいですよ、英語の歌って。 原口なんか、邦楽ポップスの英語部分でも苦労しているのに…。 そんな訳で、今回はコレ。有難いことにリットーミュージックさんのビートルズ・アンソロジーも入荷してきた事ですし。タイムリーな本ではないでしょうか? 『今まで歌ってみたかったケド、難しくて…。』なんてお嘆きのアナタ、その悩みをこの一冊が解決します! 今回のオススメ度 ★★★★☆(名曲目白押しで、英語を覚えてしまおうと言うコンセプトのこの一冊、ビートルズ編だけでなく、洋楽ポップス編も別途あり。) |
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ユニゾン D ART 1800円+税 |
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| ◎最近は、一時のホームページ作成ブームも下火になってきて、ようやく落ち着いたかな? なんて思っていましたが、昭和堂に来られるPCユーザーのお客さんたちは、向上心の塊でした。入門書が売れなくなったと思ったら、返す刀で初・中級書が売れ始めた…。 売る側からすると、とても嬉しい事なんだけど、PCユーザーの先人と言う立場からすれば、追い越されそうでコワイ…。 原口も負けてられないので、ただいまこの本にて勉強中デス。 今回のオススメ度 ★★★★☆(ホームページ・ビルダーでは物足りなくなった方を、更なる深みへと誘う案内書。次に紹介するCGI解説書と、組でどうぞ!) |

第7回 不思議世界へようこそ!
| マンガといえばテレビドラマや映画などと同様その大半が〔フィクション〕つまり架空の人物・場所・設定の物語です。また作者が100人いれば100通りの世界観が広がっており、学園もの、社会風刺、ファンタジー、伝奇物、時代劇など様々です。 今回はそんな多種多様なジャンルの中から〔不思議世界〕をテーマにしてみました。限りなく現実に近い世界から少しだけズレた世界〔パラレルワールド〕に迷い込んだ主人公たちを描いた作品は数多くありますが、その中でも比較的最近発売された作品を3点選びました。 興味のある方はその世界に迷い込んでみてください。 |
| 藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版 藤子・F・不ニ雄 小学館 全8巻(現在6巻まで) 各1500円+税 |
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| パラレルワールドといえば『ドラえもん』『オバケのQ太郎』など幼年・少年誌で長年活躍していた故藤子先生です(個人的には『ジャングル黒ベエ』がいちばん好きです)。わたしも藤子先生の作品には幼稚園時代に初めて触れて以来どっぷりハマりこんでいます。 ふつう世間一般的にマンガの神様といえばやはり手塚治虫先生ですが、個人的にはやはり藤子先生で、1996年にお亡くなりになられたのが非常に残念です。 そんな藤子先生が提唱していた《SF》は通常言われているSF=Science Fictionではなく S=すこし F=不思議 の略で、ふとしたきっかけで日常生活からほんの少しだけズレた世界に迷い込んでしまった主人公たちに起こる出来事を描いています。『ドラえもん』などとは違い短編になると藤子先生は独特の《毒》を吐きはじめるのも特徴で、これがクセになって藤子短編にはまり込む人も多いと思います。現時点で刊行されている中で個人的なベスト5は、 第1位 『劇画オバQ』〈第1巻収録〉 正ちゃんやはかせが大人になった世界にQちゃんが帰ってくるが、そこには厳しい現実が… 第2位 『間引き』〈第2巻収録〉 近未来食糧不足に悩まされている世界ではコインロッカーに赤ちゃんを置き去りにする事件が多発していた。あるコインロッカーの管理人が夜勤をしていると… 第3位 『ウルトラ・スーパー・デラックスマン』〈第3巻収録〉 オバQで有名な小池さんがスーパーマンになった!! しかし正義の味方と呼ぶには程遠く… 第4位 『ヒョンヒョロ』〈第1巻収録〉 外見はドラえもんのウサギ版。中身は… 第5位 『我が子・スーパーマン』〈第1巻収録〉 最近周囲で多発する奇妙な事件。どうやらそのカギを我が子が握っているらしいが… ほかにも面白い作品が多く収録されていますので興味のある方は是非ご一読を!!! |
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| GOGOモンスター 松本大洋 小学館 全1巻 2500円+税 |
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| 天才松本大洋が帰ってきた!!! 『ピンポン』以来最近は短編やイラストのみで、長編連載がなく、とても寂しい思いをしておりました。しかし、ついに出た全400ページ以上書き下ろしという形での新作はあの名作『鉄コン筋クリート』を思わせるすばらしい作品でした。 作品の内容にはあまり触れたくないので(読んだときの面白みにかけますので)詳しくは書きませんが、ある少年の目に映る奇怪な生き物(?)たちは彼を取り巻く他の少年たちにジワジワ影響を与えていきます。そんな時少年たちはある決断をせまられます。その決断とは…続きは読んでのお楽しみ!! |
| 熱帯のシトロン 松本次郎 太田出版 1巻まで 1000円+税 |
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| 松本次郎先生を知っていますか? デビューは講談社でした。最近太田出版からそのデビュー作『ウェンディ』が発売されています。この作家さんはいわゆる〈早すぎた〉作家で、サブカルチャーが認識されている現代にようやく実力が発揮できていると思います。 『シトロン』は『ウェンディ』と同様主人公が異世界で起こる出来事に戸惑いながらも生きていく姿が描かれています。『ウェンディ』はタイトル通り〈ピーターパン〉をモチーフにしており、『シトロン』はなんとなく〈不思議の国のアリス〉をモチーフにして描かれているような気がします。またこの『シトロン』を読む前に『ウェンディ』を読んでおくと松本ワールドに入りやすいですので『ウェンディ』から読まれることをお勧めいたします。上で紹介している松本大洋作品や諸星大二郎作品が好きな方には是非読んでみてほしい1冊です。 |